本への期待

たぶん私は他人よりもほんの少し、本に対して期待するものが大きいのではないかと思っている。出版という一つの網をくぐったテキストは、必ず理路整然としていて、学びのあるものであるはずだ、というように。

 

だからこそ、本という体裁をとっていないこのブログの文章は、その反動からか、まるで理路整然としていなくて、誤字脱字もあるかもしれず、またオチも何もなくても良いと思っている。そんな、「駄文」と呼んでも差し支えないようなテキストを並べることを、自分で許している。それでいいのかい?とたまに自分の中の自分が自分に尋ねる。まあいいよ、とその都度自分が答える。自分に甘い、と言われればそれまでだけれど、まあそんなもんだ。

 

手軽に作れることからも近年人気のZINEも、つくりたいという漠然とした欲望はあるものの、手軽にサッとつくってしまおうかと思うかと言うと、そうでもない。つくる以上は、きちんと整った、美しいものにしたい。テーマはもちろん、文字のサイズにも、余白にも、表紙のデザインにも、こだわりたい。自分自身が読んでいて心地よさを感じるようなものにしたい。でなければ他人が読んで楽しめるわけがないと思うから。中途半端なできのものは、例え出版社を介しない自己頒布物であっても、つくりたくない。

 

最近は一時期のかたくなさを越えて、その本を読んでどんな学びが得られるかとか、そういうことに過度にこだわらず、まあ読んでなんとなく楽しめればそれで充分、くらいに思えるようにはなった。好きな本、評価できる本、のハードルが下がったと言ってよい。それでも本というものには、どこか清らかさがあり、近寄りがたく、そこから得られる愉悦への期待が高く、実際に読み終わった後には一回りも二回りも成長した自分に出会える、そんな貴重な存在であってほしい。その想いはずっと変わらない。