妙典に帰ってきた本棚

 

 

新居に壁面本棚が帰ってきた。家具屋さんに一度預かってもらい、オイルメンテナンスを経て。5年間の自由が丘生活で肌もカサカサになっていたのだろう。見違えるように生まれ変わったようだ。

 

部屋にはぴったりとはまった。床から梁下までの高さがほとんど家具と一緒。上に突っ張ったりせず、自立した状態。例え大地震が来たとしても、倒れる心配はないでしょう、とのことだった。こんな偶然、あるんだ、と驚いた(家具の寸法に合う間取りの住まいを選んだのだから当たり前なのだけれど)。

 

前からここにあったかのようにしっくりはまった壁面本棚と一緒に、また新しい生活が始まる。数年前と比較して、もう次から次へと新しい本を買って本棚に積んでいこう、という意欲はなくなった。少なくとも、この本棚からはみ出すくらいの量の本が手元に来るようであれば、それは自分が抱える許容量を超えている合図だと感じるようになった。私はそんなに本を持っちゃいけない。持ったところで、本を活用することができない。その代わり、ここへ並べた本から、最大限の「成長のためのエッセンス」を搾り取って、それを他者に伝えることが、自分に与えられた役割なのだと思うことにした。