満月

夜、日課のジョギング。もう肌寒いくらいの気温になってきた。いつもは暑くてすぐ汗ダラダラになるのだけれど、そろそろ逆になりそうだ。早く体が温まってほしい、というように。

 

ふと夜空を見上げると、大きな満月が。空に吸い込まれそうになる。だだっぴろい空が占める大きな空間の中で、ちびちびと走っている自分は、ほんとうに小さいことで悩み、くよくよし、苦しくなり、泣きそうになっている。そんなことでいいのか、と自分の中の自分が言っている。大したことないだろうに、と言っている。

 

たいていのことは、たいしたことはない。そんなことは分かっているのに、心の中の嵐はなかなか取り除けない。「安藤の奴、たいしたことないなあ」「だらしないなあ」「ちゃんとしろよ。そんなんじゃ困るんだよ」とクライアントが思うであろうことは確かなのだ。

 

こういうとき私は、無理に悩みを忘れようとするのではなく、感じるままに一旦は落ち込もうと決めている。驚くべきことに、どんなに落ち込んでも、時間が経てばなんてことはなくなる。だから安心して、落ち込める。走っていると、身体にいいことをし続けている自分の自尊心が高まり、そうした悩みによる苦痛を多少なりともやわらげてくれるように感じる。