本棚の許容量にあわせて本を選ぶ

 

家具屋さんに壁面本棚をつくってもらったのが6年前の夏だった。それ以来、この大きな本棚を埋められるくらいたくさん本を買って、読んでやろう、そう思って本と付き合ってきた。決して数を競っていたわけではないけれど、やはりある程度量を読まなければ成長できない、そう思っていた。

 

時は過ぎ、喜ばしいことに、抱える本は本棚の許容量を超え、はみ出るようになった。本が隠れるように本の前に置いたり、本の上に積んだりするのがあまり好きではないので、場所がなくなるというのは大問題。我慢して本の上に積んだりしてしばらく過ごしたが、やっぱりこれは気持ち的に良くない。こうして、許容量の範囲でおさまるように本を選ぶようにした。それが今日のことだ。

 

「なにか新しく迎え入れたら、その分手放さなければならない」そのことをやはり本を読んで知り、まぁその通りだ、これは本に対しても言えることだ、ということで、もう絶対読まないであろう本と、一旦は読み終わって完結した本を、手放そうと決めた。そうして本棚におさまる量に厳選すると、少なくなった分、本棚の後ろの白い壁が見えてスッキリし、自分の身体は関係ないのに、なんだか身軽になったような気になった。

 

今後読むかどうか分からない本を手放したのちに「やっぱり持っていればよかった」と後悔したときのストレスより、この身軽さがもたらす快感の方が絶対値が大きい。今はそう思っている。