架空の本屋

「16の小さな専門書店」という本屋が千葉にあった。千葉そごうのフロアーの中に、その名前のとおり、16の専門書店が本を並べている、といったものだった。SNSで見て興味を持ち、行ったのは2年以上前。調べたら2020年の3月に閉店したとのこと。

 

それぞれ別々の、かつ独特のコンセプトで選んだ本が並ぶ専門書店を、一つづつ見るのがとにかく楽しかった。小説に興味がない人も、小説専門の本屋をざっと見たら読んでみようかなと思うかもしれない。絵本を手にしたことがない人が絵本専門書店の棚を見たらくすっと笑ってしまうかもしれない。読み手の読書の幅を広げるという点では、画期的なアイデアだと思う。

 

私がいま、特にウェブ上でつくってみたいものがある。それが「架空の本屋」を複数つくり、それを集めることだ。「16の小さな専門書店」は実在した実店舗だが、それをウェブ上で展開するイメージだ。

 

ただ、これだとどうしても「16の小さな専門書店」の二番煎じになってしまう。自分がこれから発信する価値のあるものにするためには、アイデアの「素」は同じでも、その中に違った「味」がなければならない。ただ、様々な強みをもった本屋を集めることで読み手の視野が広がる機会を与える、という「目標」は達成させたい。そんなことを考えながら、「こんな専門書店があったらいいな」を拾い集め、イメージを膨らませている。