渋谷から熊谷までの高崎線。目的地まで1時間以上かかる。実家の最寄り駅から池袋までの東上線がちょうど1時間くらいだから、それ以上ということになる。1時間電車内にいたら、たいていのことはできる。考え事をしていてもウトウトしていても飽きるくらいだ。電車内でスマホは見ないと決めているので、本を読むか目を閉じているかのどっちかだ。
行きは比較的すいていて座ったけれど、帰りはいつにも増して混んでいて、空席はポツポツ程度だったので、座らず立っていた。座ると楽は楽なのだけれど、慢性的な腰の痛みにさらなる負担をかけることになる。最近は、電車内ではなるべく座らないようにしようという意識が働くようになった。立った状態で1時間と少し、本を読んでは飽き、窓の外の景色をぼーっと眺めては飽き、目を閉じて考え事をしては飽き、を何ターンか繰り返してようやく渋谷に着いた。熊谷で乗ったときに目の前に座っていた女性は、彼女が新宿で降りるまでの間、途中座れる機会があったはずなのに座らず目の前でずっと立っているやせ我慢風の大男に、引いたに違いない。