狭量の理由

自分が狭量であることを認めたうえで、なぜそう思ったのか、冷静に振り返る。

 

コンビニATMで振り込みをしようとした。相手の口座はゆうちょ銀行口座。操作をしていると「店番号」を求められた。ただ相手が指定してくれた口座情報にその店番号が書かれていない。ゆうちょ特有の「記号・番号」から「店名・口座番号」への変換が必要なようだった。以前も同じことで調べて対応した経験があったはずだけれど、覚えていない。分からなかったので、後で調べてから振り込みし直そうと思って一旦諦め、コンビニを後にした。

 

翌日、家族から、方法が分かったということで変換方法を知らせるLINEが。ここで普通の器量の人間なら、「教えてくれてありがとう」で済むだろう。しかしわたしはそこであろうことか、イラついてしまった。もちろん相手がそう思っていないことくらい内心では分かっているはずなのに、家族のその連絡から、「きっとお前はまだ調べてなくて分からないだろうから、代わりに調べてやったよ」という高圧的な態度を感じてしまったのだ。そのLINEをもらったのが、調べて振り込まなければと頭にありつつも「まぁ後でいいや」と思ってコンビニを素通りした直後だったというのも、タイミングがあまり良くなかった。「子供じゃないんだから、教えてもらわなくても自分で調べて対応しますよ」と心の中でケチをつけてしまった。

 

後に振り返ると、そんなささいなことでイライラするのか、と情けなくなる。おおらかな心を持っていたいと思いながら、まるで遠いところにいることに、ぞっとした。いまはもう何とも思わないのに、その瞬間にイラついてしまったその理由は、どうしても分からない。