そこに居続けること

久しぶりに下北沢の街を歩いた。なのでふと思い出し、数年前に一度訪ねたきりだったお店に行ってみた。小さいけれど厳選された商品が並ぶ雑貨店。すぐ手前に工事中の空きテナントがあったので、あれ、移転しちゃったのかなと一瞬不安がよぎった。目的のお店はそのすぐ先に、あった。

 

お店の雰囲気も、もちろん店主も、並ぶ商品がかもしだす空気も、数年前と同じだった。大好きな作家さんのポストカードもある。ちょっとした「ありがとう」を伝えるための「こころふせん」もある。急須も、曲げわっぱも、フラワーベースも、ある。どれもが数年前と同じで、期待していたものが時を経ても当たり前にそこにあるという事実に、嬉しくなった。失礼ながら、こうした都内のお店はたいてい移転や閉店のサイクルが短く、久しぶりに行ったらなくなっていた、なんてことも多いので、心配していた。でも心配無用だった。

 

当たり前のようにそこに居続けること。大変なことも多いだろうけれど、それが大事だなと思った。