やぁ

待ち合わせ場所に相手がやってきたとき。イベントで、久しぶりに会う人と目が合ったとき。義妹夫婦のお店に遊びに行ったとき。そういうとき最初に、やぁ、と手を挙げて挨拶するのが自分の癖になっていることに、最近気づいた。あなたと会えて嬉しいです、という気持ちを端的に表現できる手段だと思っている。目が合って、お互いの顔がにこやかになる。その瞬間に相手との距離が縮まるように思えるのだ。

 

これが親しい相手であれば良いのだろうけれど、仕事でのコミュニケーションではそうもいかないだろうとも思う。もちろん、あまりに目上の人と会う時に「やぁ」とはやらない。しかし今日、コーディネートをしているコーポラティブハウスの管理会社の担当者と駅で待ち合わせをしていて、先に到着していた彼に気づいた瞬間、無意識に「やぁ」と手を挙げて挨拶をし、はっとした。

 

彼は自分より年下で、「目上」かと言われると違うけれど、決してクライアントと顧客といった関係でもないし、自分が偉そうにふるまって良い立場でもない。仕事上管理会社には、管理組合の立場で要望を伝えたり改善を申し入れたりする役割にはある。それでも、気を許してよいということはない。もし、自分の心の中にあるほんのちょっとの「上から目線」的な気持ちが、「やぁ」と手を挙げるというふるまいに現れたのだとすると、良くないと思った。挨拶それ自体は大事にしたいが、相手によっては不快に思うかもしれない。