本を読むときの、本に対する態度

風呂場でお気に入りの本を読みながら、ああそうか、本を読むことはそういうことなのか、と妙なところで安堵した。最後の「静寂」のページは空欄だ。そこに自分なりの静寂を思い描く。その直前のページは「静けさを理解し、世界を遮断する悦びを得る方法」とある。世界を遮断して、静かなところで、自分の頭で自分のことを考える。考えるにあたって本は参考にはなるけれど、それがすべてではない。そう教えられた気がした。

 

世界には無数の書物があるが、あなたが体験したことに勝る知識を与えてくれるものは一冊もない。

 

私が本を読むときの、本に対する態度は大きく3つ。

 

①この世のすべての本を読み終えるということは不可能だと自覚すること

ゴールを期待しない。このラインまで読めば、満足できるくらいの知恵を得られる、という到達点はない。誰よりもたくさん読もうと意気込んだところで、全ての本を読むことは物理的に不可能だ。読めば読むほど、読むべき本はどんどん増えていく。

 

②自分がどれだけ成長するかは気にせず、読んでいる時間そのものが快適であればそれでよしとすること

自分の成長を期待しない。読んだ後に情報を覚えていなくても(あまり)気にしない。読んでいる時間が楽しければそれでいいじゃん、と考える。読書なんて、そんなものだ。読んでいる時間に身をおくこと自体が快楽だから読んでいるんだ。

 

③自分の体験に勝る本はこの世に一冊もないのだと気づくこと

本に崇高であることを期待しない。本を読むことは崇高なことでもなんでもない。呼吸をするのと同じで、当たり前にするものだ。本を読んで、そこから学んで活かすのはあくまでも自分である。学んで活かした結果、経験したことは自分のオリジナルであり、どんな本よりも有益である。

 

この3つだけ意識さえすれば、本のある暮らしはきっと楽しい。

 

静寂とは

静寂とは