猫の本屋さん

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三軒茶屋に仕事で行ったので、その存在を知ってからなかなか行けていなかった本屋さんへ、行ってきた。三軒茶屋駅から世田谷線の西太子堂駅あたりまで歩く。

 

密集住宅地の中の細い道を歩いていると突然現れる「Cat's Meow Books」は、「猫の本屋さん」だ。それには大きく2つの意味がある。猫が登場する本だけを扱っているということと、もう一つは、実際に猫がいるということだ。

 

店内に入ると、猫が描かれた本の表紙がこっちを向いてくる。それだけで癒される。そして鍵のかかっている部屋に入ったら、靴をぬいでスリッパに履き替える。手を消毒して、店員さんに注意事項を受ける。猫ちゃんから寄ってくるまでは、手を触れないこと。とらえ方によっては拷問のようなルールだけれど、でも猫ちゃんの平穏を守るためだから仕方ない。心を浄化させて、よこしまな心を抱かず、そして何度か訪れて常連として猫ちゃんに認められて、いつかなついてくれるのを、待とうと誓った。

 

本棚いっぱいにある猫本から、素敵なタイトルにひかれたエッセイと、聞いて知っていた絵本作家さんのサイン本を手に取った。ここで見る本は、この本屋さんに来なかったら、たぶん今後出会うことはないんじゃないかという本ばかりだ。そういう「一期一会」感を味わえるのが、セレクト本屋の良いところだと思っている。

 

13時オープンの店内に13時10分ごろ入ったら、すでに常連らしき女の子が2人ほど座って黙々と本を読んでいた。姿を現していた猫のうち1匹は、優雅に眠っていた。もう1匹も、こちらが触れたくてうずうずしているというのにまったく意に介さず、のんびりとその優しい空間を作り出していた。最高の本屋さんだと思った。