修復して使う

一昨日の「なんでもベスト3」の続き。いま、自分の身のまわりで「なおして使いたいもの」が3つある。それが靴、腕時計、箸だ。

 

 

買い替えるのではなく、修復して使う。その魅力に気づいたのは割と最近のことだ。いままでは、新しく買うことで新しい気持ちにもなると感じていたし、多少なりとも作り手の売り上げにも貢献するだろう、とも思っていた。しかしその考えがだんだんと変わり、愛着をもって使っていたものをさらに使い続けるための方法として、「なおす」という行為を見直すようになった。

 

 

靴は、negroniのスニーカー。履き心地の良さにびっくりして、以来ずっと履いている。デパートで気軽にラバーソールの交換を依頼できるので、何度かお世話になっている。そしていま、またラバーソールが傷んできているので、交換しようと思っている。その際には、劣化したひもの交換などもお願いしようと思っている。

 

http://negroni.jp/

 

 

腕時計は、大学生の時に買ってからずっと大切に持っているものだ。リコーエレメックスの「WALG」というもので、剣をモチーフにしたデザインに鋭さを感じ、惹かれた。社会人になってからもしばらく使っていた充電式の腕時計なのだが、あるときから、何度どれだけ充電しても動かなくなってしまった。専用の台に乗っけて充電するタイプのもので、時計屋さんに持って行って充電池を交換する、というものではなさそう。だからどうやってなおすのか、不明。正直なおせるのかどうかも、不明。だけどちゃんとなおして、また腕にはめたい。そうしてなおす方法を、調べている。

 

 

そして箸。2年くらい前に手づくり市で出会った作家さんの箸だ。自分よりやや年下であろう女性がつくったというその箸は、自然で、飽きの来ないデザイン。正直箸なんて消耗品だから汚くなったらすぐ買い替えるものだ、だから何だっていい、くらいにしか思っていなかったけれど、それもつまらないとなぁとも思ったから、思い切って買ったのが最初。使い心地はすごく良い。しかしやはり先の塗装は徐々に薄くなり、頭の漆も剥がれてきた。そのことを作家さんに相談したら、お直しも出きますよ、という返事。そうか、その手があったか、と思わず手を叩いた。箸をなおしてもらい、また使う。なんて素敵な体験だろうか。

 

https://yomoyanoume.amebaownd.com/

 

 

これら3つを思い浮かべていたら、どれも「自分の身に触れるもの」であることに気づいて、わぁ、ってなった。歩く時の足を包み、腕にくっつけ、そして食べ物と一緒に口に含む。そういう「触れるもの」であるからこそ、自分の身体が許すものを大切に使いたい。傷んだら、買い替えるのではなく、修理して再度使う。自分の身体が無意識に「修復してまた触れること」を選んだのかもしれないと思った瞬間、それらへの愛着が倍増したように感じた。