寓話に学ぶ、仕事への取り組み方

仕事に対する姿勢であったり、所内でのコミュニケーションのとりかただったり。働き方全般について、そろそろ冷静に、いまの状態でいいのか、良くなければどう改善すべきか、考えなければいけないと思っている。目の前の仕事に没頭するのもいいけれど、果たしてそれでいいの?と立ち止まって考える時間が、必要だと。

 

自分の働き方を考えるときに、ひとつの羅針盤となるのが、寓話だったりする。「このように行動したらどうなるか」「こう考えるということはつまりこういうことだ」といことを分かりやすく理解できる。所詮は寓話でしょう?とはねのけるんじゃなくて、そこから得られる教訓を、きちんと身に染み込ませることが大切だ。

 

特に私がいいなぁと思った寓話は「二人の商人」。江州の商人と他国の商人が重い商品を背負って峠道をのぼる。ひとりが「この山がもう少し低ければいいのだが」と愚痴をこぼすと、もうひとりが、「つらいのは私もあなたと一緒だ。だけど私は、この山がもっともっと、10倍も高くなってくれたらと思います。そうすればたいていの商人は途中で帰るでしょうが、私はひとりでのぼって、思うように商売をしてみたい。この山がまだまだ高くないのが、私には残念でならない」という、という話。競合が諦めるくらい困難なところにこそビジネスチャンスがある、といまなら解釈するだろうか。自分のような凡人以下の人間では他人と同じ土俵で戦って仕事できるわけがない。他人が嫌がることにこそ注目しましょうよ、と私は捉えている。それが、住まいづくりという分野での、既製品を多く供給する仕事ではないからこその企画の考え方につながっているのだと思う。

 

もうひとつ、有名な話だけれど、「三人のレンガ職人」の寓話も肝に銘じたい。建設現場で作業をしている三人のレンガ職人が「何をしているのか」と質問される。一人目は「レンガを積んでいる」と答え、二人目は「壁を造っている」と答え、三人目は「大聖堂を造っている。神を讃えるために」と答えた、という話。いまやっていることのその先まで見据えて、大聖堂をつくっていることを意識して動く三人目の職人でありたいと思う。

 

ものの見方が変わる 座右の寓話

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