R:ラグタイム -ragtime-

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大学時代にクラシックギターで演奏することを心の底から楽しみ、またいろいろな曲を聴いた。自分にとってはピアノ曲というよりはギター曲だ。もちろん原曲はピアノで楽しむ。だけど、ギターで弾くからこその面白さというか、軽快さを感じていた。

 

ラグタイムを好きになるきっかけはなんだったんだろう。そう振り返ると、必ず思い出す車がある。スズキの軽自動車「ラパン」だ。当時、テレビコマーシャルの挿入曲がスコット・ジョプリンの「パイナップル・ラグ」だった。本当に懐かしい。

 

スキップをしながら踊るような愉快な雰囲気と、小ぢんまりとしたかわいいボディの車が重なる。まさに今日知ったのは、「ラパン」がフランス語で「うさぎ」を意味する言葉だということだ。軽快に飛び跳ねるうさぎを思うと、挿入曲に「パイナップル・ラグ」を選ぶセンスの良さにびっくりせずにはいられない。

 

大学時代。自分で曲を選び、楽譜をつくり、アレンジをする課題曲に、この「パイナップル・ラグ」を選んだ。クラシックギターのやわらかい音色がマッチする自信があった。原曲のような明るさ、スタッカート感は出なかったかもしれないけれど、それでも満足のできる演奏ができたと思う。

 

「パイナップル・ラグ」がきっかけで、スコット・ジョプリンのその他の曲もたくさん聴いた。「エンターテイナー」はもちろん、「メープルリーフ・ラグ」「グラジオラス・ラグ」「ピーチェリン・ラグ」「ラグタイムダンス」と、好きな曲は多い。「イージーウィナー」もいいな。でも、ラグタイムの軽快なリズムを思うとき、決まって「パイナップル・ラグ」のメロディと、うさぎのようにかわいいボディのラパンが最初に頭に浮かぶのだ。