猛暑日

連日、こうして気温の高い日が続くと、それに慣れてくる。気は滅入るし、汗は止まらないのに。朝、家を出てもわっとした空気を感じると、「おぉ、今日も来たな。昨日を超えるか?」なんて言いながら、戦闘態勢に入る。今日も勝ってやるぞ、と。

 

 

夕べ、終電に乗ったと思ったら、休日のダイヤが平日と違っていて、うっかり最寄り駅への最終電車を逃してしまった。東陽町で降りてタクシーを拾おうとしたらすごい行列になっていたので、まぁ運動にもなるし、南砂町まで歩こう、と思った。しかし南砂町でもタクシーを拾う機会を失い、結局、西葛西まで歩いた。荒川を渡らなければならないことに直前まで気づかず、真夜中の陸橋を歩く、そこには夜風なんて心地よいものはなく、ただジメジメした空気が身体にへばりついてしんどかった。それでも歩こうという気力があったのは、ちょっとでもタクシー代を浮かせたいというケチ心と、こういう大変な体験を経て男は成長するのだというマゾ心があったからだ。西葛西でタクシーを拾い、車内に入った瞬間、天国にたどり着いたと本気で思った。たとえ真夜中でも、暑いものは暑い。

 

 

このところよく聞く「猛暑」という言葉。改めて調べてみると、最高気温が35度以上の日を「猛暑日」といい、これは正式な予報用語とのこと。ちなみに「真夏日」は最高気温30度以上の日、「夏日」は最高気温25度以上の日のことを言うのだとか。自分の感覚と5度ずれていた。25度でも夏日なのか、、、知らなかった。そしたら40度を超えた日は、なんなのだ。

 

猛暑日と言える日がこのところ毎日続いている気がする。だから、40度を超えたなんてニュースを聞いても、もはや驚かなくなりつつある。そのうち、最高気温が50度以上の日を指す「超暑日」なんて言葉が普通に交わされるようになるかもしれない。そうなればなったで、人間なんとかやっていけるんだ、きっと。

 

 

東陽町から西葛西まで歩く道中。サルスベリの木が花を咲かせ、目を癒してくれた。赤も白も。これで幹がもう少し太くがっちりしていたら、最高だ。暑ければ暑いほど、しんどければしんどいほど、百日紅という名の通り、真夏に100日花を咲かせる力漲るサルスベリのように、頑張ろうと思う。