魂を抜かれないように


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とかく気が滅入りがちな季節だけれど、自分にとっては、結構好きな季節だったりする。太陽光がじりじりと肌を焼いて、汗が出てきても、それでも負けないぞ自分は、と思える。実は、結構ではなく、大がつくほど好きな季節だ。

 

昔、幽遊白書というアニメが好きでよく観ていた。そのなかで、「あつい」と言ってはいけない、もし言ったら魂を抜かれてしまう、というゲームをするシーンがあった。「タブー」という能力をもつ海藤と蒸し風呂のような部屋で頭脳合戦をするのだが、「暑い」と言ってはいけない他、「ああ。ついでに」というように「あ」と「つ」と「い」を繋げて言っただけでダメ、という無茶苦茶なルール。そんな破天荒なルールを当時はフィクションだからと面白がっていたけれど、いまになって、「病は気から」じゃないけれど、それに近い真面目な意味も感じとることができる。「暑い」と口にするから暑く感じ、嫌な気分になる。だから、言わないようにしよう。魂も抜かれちゃうし。そう思って、真面目な話、今日まで来ている。

 

夏。大好きな季節だ。仕事で久しぶりに訪れた仙川駅前には、サルスベリが真っ赤な花を咲かせていた。この時期に堂々と花を咲かせるサルスベリの生命力に、あこがれる。自分もそうでありたい。魂なんて抜かれている場合じゃない。