前を向いて走る

今年も、走る。走ることを習慣にする。毎日はとても無理だけれど、1週間に1回は走る。そうしたら体調が悪いということが少なくなるんじゃないかと思っている。

 

久しぶりに下駄箱からスニーカーを引っぱり出してきて、履く。アキレス腱を念入りに伸ばしてから、走り始める。寒くて嫌なのだけれど、走り始めてしばらく経てば、寒さも感じなくなってくる。その代わりに、胸の苦しみがやってくる。

 

江戸川の河川敷にはこの季節でもジョギングをしている人が結構いて、それもだいぶ年を召した方が自分よりも速いペースで走っていたりする。草むらに座ってサンドイッチを食べる子供とその家族もいる。のどかな光景だ。

 

箱根駅伝で力走した後輩を思い描きながら、走る。そう言えば、彼らは走るとき、必ず前を向いていた。自分は走っていてつらくなってくると、下を向く癖がある。だいたい斜め45度くらい。向かってくる道路を見ていれば、自分が進んでいる気になるからだ。遠くを見ていたら、自分が進んでいる実感がわかない、そんな気がするからだ。だけど駅伝選手は、前を向いている。誰も下を向いていなかった。それならば、と自分も正面を、先の景色を見ながら走ってみる。景色は変わらず確かに先に進んでいる感じはしないけれど、その代わり気分が上向きになったというか、重心が身体の中心に移ったというか、とにかく、心なしか気持ちも高まり、ペースが速くなった気がした。

 

走り終わって、あまり汗をかかず一気に冷えていく身体を落ち着かせながら、家まで歩く。アキレス腱は問題ないが、とにかく太ももが痛い。少し運動不足になると、すぐこうなる。これからはこうならないように、週1ペースのジョギングを継続させていきたい。