勝どきの「太陽のマルシェ」に行ってきた。以前一度行って楽しいイベントをやっているなぁ、と思いながらもなかなか二度目に行けていなかった。ちょうど天気も良かったし、他に行くところもあったのでそのついでに。
自分は「マルシェ」の何が好きなんだろう、と考える。普段スーパーでしか買わないような野菜が都心で堂々と売られている様子が新鮮だから?いままで見たこともないような食べ物が売られているから?いろいろ理由はあるのだろうけれど、一番の面白さは「普段はなにもないのに、その日その時だけはモノを売る人が集まり、そこに買い手も集まる」というイベント感にあるのだと思う。スーパーとかデパートとか、常にあるお店で定期的にイベントをやってる、というのはあまり特別な面白さは感じない。だけど、普段は子供たちが遊びまわるような公園広場に、毎月第二土日だけテントが並び、市場ができる。その「ないところに売り場が生まれる」エネルギーに、そそられるんだ。売り手の、自分が扱っている商品を少しでもたくさんの人に知ってもらいたい、というエネルギーをものすごく感じるから、見て、試食して、話を聞くだけでも、面白い。
気さくなお兄さんとの会話が楽しいオリーブオイルのバターも。ご主人の熱意をものすごく感じる無農薬野菜も。日本の食をよりおいしくする、竹製まな板などキッチン道具も。自家焙煎珈琲も。そして、「ストローはいりません」といった私に「おっ男前ですね」と店員さんがほめてくれる(結局「かきまぜたほうが美味しいですよ」と言われストローを受け取った。お姉さんの前でカッコつけました)レモネードのキッチンカーも。どれも新鮮で興味深かったけれど、ちょっと別の視点で、印象に残ったのが、「J-WAVE BOOK SHARING」だ。
WOW!TOKYO - 2017.09 TOKYO SHARING GOOD || J-WAVE
読まなくなった本を次の誰かに伝える。本をシェアするという発想は、ありそうでなかったと思う。並んでいる本はどれも持って行っていい。それぞれの本には栞がはさまっていて、その栞には、本を預けた人のその本に対するコメントが書かれている。栞のコメントを読んで、前読者から次の人へとバトンタッチする、という感覚が、面白いと思った。
内田樹さんの見たことのない本が目に入り、いいですか?といって手に取った。裏表紙には、中央区立図書館の除籍済みシールが貼られている。図書館からはるばるやってきた本か・・・。そんな出会いも、素敵。
そして、譲り受けるだけじゃシェアにならないので、たまたま持っていた本の中から1冊、他の人にも読んでほしいと思い、お譲りした。栞に自分の気持ちを添えて。これも一期一会。
あまり気負わず、エネルギーを使うことなく、新しい出会いを味わえる。そこから、また新しい出会いの芽が出る。それがマルシェの魅力だ。