コーポラティブハウスの取り組み考

コーポラティブハウスの新しい取り組み方、企画について、考えている。

 

 

自分がいまつくりたいもの。それは、その住まいの中だけで機能が完結するのではなくて、外に対して、地域に対して開かれたコーポラティブハウス。入居者だけでなく周囲に対しても敬意をもち、価値を与えるコーポラティブハウス。例えば共用部を店舗にしてテナント貸しにしたら。これから独立、出店を考えている若き起業家の、スタートの場にしたら。周辺の賃料相場より少しだけ安く設定して、開業しやすくする。お店を始めようとする人を、応援する。地域に対して集う場所を提供する。で、入居者にも利益があるようにする。例えば管理組合優待券みたいなものを用意して、入居者は安くサービスを受けることができる。賃料収入を管理費の足しにする。管理組合総会の場所として使えるだけでなく、例えば定期的に入居者の自己表現の場をつくる。そんなコーポラティブハウスがつくれたら、住まい手にも、地域にも、テナントにも、楽しい場所がつくれるのではないか。

 

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自分がいまつくりたいもの。それは、既存の老朽化した建物を壊さず使ったコーポラティブハウス。耐震補強とか、必要な修繕はもちろん行う。耐用年数や資産価値は新築に比べて少ないことを見込んで入居者を募集する。オーナーにとって重荷でしかなくなってしまった、その役割を終えてしまった建物に、新しい命を吹き込むような住まいをつくる。そうしたら、役割を終えてしまった建物も喜んでくれるのではないか。

 

 

自分がいまつくりたいもの。それは、ゼロにちかいところからつくるコーポラティブハウス。土地だけを決めて、建物のプランや募集価格帯、住戸面積、総戸数を決めずに募集を始める。謳うのはコンセプト、企画のねらいのみ。入居者が集まってから、設計者と打ち合わせをして、決めていく。もちろん時間はかかるし、予算を目論むことができないし、手間はかかる。だけど、コーディネート主導型は踏襲しつつ、コーポラティブハウス本来のつくり方により近いつくり方で、やってみたい。

 

 

自分がつくりたいもの。それは、50年100年経っても資産価値が落ちない、管理組合が元気に運営し続ける、そんなシーラカンスのようなコーポラティブハウス。いま、新築マンションは価格が上がり続け、中古物件も住まい購入の選択肢として増えつつある。築年数の経ったマンションの仲介とリノベーションを結びつけるビジネスも多い。なにより、「本当に中古?」とびっくりするくらいきれいでかっこいい、リノベでつくられた住まいが多い。

 

日本の住宅流通に占める中古住宅の割合はアメリカなど外国に比べて少ないと聞くから、こうして中古住宅も新築と同じように検討の土台に乗るというのは喜ばしいことだと思う。しかし一方で、躯体や給排水設備が老朽化していないか、とか、修繕積立金が潤沢か、とか、スラム化していないか、といったように、「ダメな中古」を買わないように、ババをひかないようにするにはどうしたらよいか、という情報ばかりが消費者に発信され、「ダメな中古」をどうしたら復活させることができるか、という視点での工夫はあまり聞かない。さらに、住まいが「ダメな中古」にならないように、ババにならないように、という視点での工夫もあまり聞かない。だから、いつまで経っても、何年経っても、消費者が避けるような要素を与えない健康な住まいを、つくりたい。入居者にとっても住みやすいはずだから。

 

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