泣きたくなったあなたへ

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照れない。ほんのちょっとの勇気を出して、それはあとで冷静に振り返ると別にたいした勇気でもないのだけれど、そうして行動したことが、きっと自分に舞い戻ってくる。いままで、何か行動に移すことができた時は、その原因は照れなかったことにある。いままで、失敗したなぁと後悔したときは、その原因は照れたことにある。だから、照れずに。

 

そんな言葉を、休日、ちょっと事務所へ行って、ちょうどいまたくさんあってなかなか片付かない仕事をやっつけて、それでも夜になってしまって、帰りに駅前の本屋で松浦弥太郎さんの新刊を目にしてすぐ買って、なんか誰かと話したい気分だなぁ、誰かに会うことでこのずしっと沈んだ気持ちを軽くしたいなぁと思い、笑顔のまぶしい店員さんが素敵なハンバーグ屋さんに行って、その店員さんのはちきれんばかりの笑顔を浴びて、ハンバーグを待っている間に、新刊で読んで味わった。なんだろう、このいつも優しい気持ちにさせてくれるような言葉の連なりは。だいたい氏は泣きたいと思ったって泣けないような立場の方なんじゃないのか?そんな氏にも、たががはずれたようにわんわん泣くことがあるなんて。朝、会社に行こうとすると心が不安でいっぱいになってどうしようと悩むことがあるなんて。そんなの考えられない。でも、あるんだって。そんな泣きたくなった時に、どう自分に言い聞かせるのか。どう自分の心をコントロールするのか。そんな厳しくも優しい言葉に、出会える。

 

「いつもありがとうございます」「仕事頑張ってください」自分のことを覚えてくれて、いつも素敵な言葉をかけてくださるあなたに感謝の気持ちを伝えようと思い、帰り際、ほんの少し勇気を出した。相変わらず自分の仕事の遅さにげんなりする毎日だけれど、もう少し頑張ってみようという気持ちになれた。いつもありがとう。

 

帰りの電車が人身事故で折り返し運転になっていたけれど、この本があれば暇にならずに遠回りして帰れるってものだ。一番最後のページを見ると、「2017年5月2日第1版第1刷発行」とある。未来の日付の発行日の本をいまこうして手にしているという不思議な感覚。優越感。駅前の本屋に寄ってよかった。明日からもうちょっと頑張れば連休だ。と気持ちを整理していたら、ふと本の背表紙にシミがついていることに気がついた。たぶんさっきのハンバーグ屋で、だ。未来の本がもう汚れている。・・・。泣きたくなってきた。

 

泣きたくなったあなたへ

泣きたくなったあなたへ