銅版画

二日連続で御茶ノ水駅に来た。今日は少し早めに家を出て、あまり寄り道せず、一直線で目的地へ。それでも午前中は寝て過ごしてしまい、いつものように休日の過ごし方を誤った、と家を出てから後悔した。天気が良かったので、なおさらだ。

 

ギャラリーに入ったら、作家さんご本人に普通に会えた。画家であるとか、そういった方に対しては昔から「気難しい人なんじゃないか?」とか「無口で不愛想な人なんじゃないか?」とかそういった偏見を持っていたけれど、そんな印象とは全く逆の、そして威圧感もない、気さくな感じの方で、拍子抜けした。自分よりよっぽど社交的だと思った。

 

好きでよく行くダイニングで知って、来ました。銅版画とかそういう美術には疎くて、正直こういう個展には来たことがなかったけれど、刺激になるかと思って。そんな話をしたら、ものすごく喜んでくださった。まるで近所のおじさんと近所話をしているかのような、気楽な感じだったので、安心した。

 

銅版画の、とにかく緻密で手間のかかる作業に、驚いた。その手間が、完成品を眺める限りはあまり感じ取れないけれど、線も細かくて、それをつくっている姿を想像すると、気が遠くなる。完成品は、白と黒の二色がメインで、だからカラフルな絵と違って色の情報なしに、その画像を集中して見ることができる気がする。そのモノクロの絵の中がどんな世界なのか、想像をふくらませるのが、楽しい。

 

こうして人との縁がきっかけで次の縁につながる、というのを、大事にしたいなぁと思う。ただでさえ地域の付き合いも少ない自分。考えてみれば、友人と呼べる人も少ない。最近、友達が増えたと実感することが、ない。「友達は、少なくてよい」とか「友達なんていらない」とかそういった言葉も聞くけれど、それに近い感じだ。不要とまでは言わないけれど、友達をたくさんつくりたい、という気持ちはまるでない。だから、いま現在のつながりと、そこから枝分かれして今後生まれるつながりを、絶やさずに育てたいと思う。

 

三枝敏彦彫刻展 2017.2.7〜2.12

 

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