ふたつめのボールのようなことば。

自宅と実家との間、乗り換え駅の中にお気に入りの文房具屋がある。そこにはセレクト本コーナーがあるのだが、その選書がすごく良い。おっと思わせてくれる本がたくさんあって、思わず手に取ってしまう。年末、帰省前に立ち寄った際、この本に目がとまった。

 

 

コピーライターの糸井重里さんの、やわらかく、わかりやすく、的確な、ことば。ページを順番にめくって読むのも良いし、任意のところをパッと開いて読むのも良い。「ふたつめのボール」ってどういうこと?と深読みしていたら、二冊目という意味だった。残念。ホームアローンを知らずにホームアローン2を観ちゃう(しかもそれで満足しちゃう)ようなもんだ・・・

 

きちんと仕事をするためであるとか、オトナとして認められるためであるとか、豊かな暮らしをするためであるとか、そういったことのために必要なのは、なにも難しいことではなく、基本的なことの積み重ねなんだよ、と言われているようで、そうした基本的なことに考えが及ばない自分に歯がゆさを感じてしまう。

 

まだ練習を始めてすらいないのに、コツを聞こうとするのではなく。ちょっと覚えばどんどんできるようになる、なんてことを信じてしまうのではなく。人が考えていない時にどれだけ考えることができるか。人が諦めていることをどれだけ諦めずにいられるか。極端だけど、人が寝ている時にどれだけ寝ずにできるか。コツなんて言葉を忘れるくらい、目の前のことに取り組んだらどうだ。