ホテルに行ったら、その部屋の寸法を測って間取り図を書く。その間取り図を集めた旅の記録。パラパラとページをめくったら、その手書きの間取り図がとても美しくて、手書きできれいに図面を書けるっていいなぁと思った。フリーハンドの図には、味がある。色もついているから、その部屋の温度感も伝わってくるような気さえする。
スケール片手に、とにかく測る。著者はそれを仕事としてでも義務としてでもなくこなしていて、まるで趣味のようだ。そうやって得た間取り図の蓄積が、そのまま自分の頭の中への寸法の蓄積につながっているのだろう。
こうして、仕事における体力づくりや情報収集のために、人があまりやらないことを趣味のように、黙々と、熱中してやる。なにかこういうことをしている人が、すごい仕事をする人になるのだと思った。
この本を読んだ途端、自分が身のまわりのモノの寸法や動作寸法をよく知らないことに気づかされた。自分だっていつもカバンにスケールを入れて歩いているんだから、もっと活用しないと。