7 days cards

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仕事がなかなかうまくいかない。「よーし、いいぞ。進んでいるぞ」という感覚が、まるでない。いつものことだ。

うまくいかない理由は、周りの人でもなければ、ましてや社会でもない。自分なのだと思うようになった(思うようにした)のは、尊敬する松浦弥太郎さんの本を読んで学んだからだ。

自分のせいじゃないんだと思えれば、気持ちもだいぶ楽になるだろう。自分一人では絶対に解決できない巨大な問題だって、少なからずあると思う。しかし、サジを投げてしまった時点で、進展は望めない。本当は嫌なんだけど、すべての原因は自分にあるんだと思えば、じゃあどうすれば、と考えるようになる。自分の中のダメな理由を探すようになる。

どうしたもんかな、と思いながら、事務所から帰る途中で、銀座に寄った。このまま帰ってもすることないし、という時、帰る途中にある銀座は便利で、人が多いのが玉に瑕なのだけど、時折立ち寄る。高級品が並ぶ百貨店街。日本一公示地価が高い街。路地側は、芸能人もよく行くらしい高級料理街。そんな街に気楽に足を踏み入れる自分自身、どうかしている。

目的はひとつ、伊東屋だ。昨日、大手町の文具屋で出会ったキレイなポストカードが伊東屋にもあると知り、もっとたくさん、いろんな絵柄のものを買おうと思い、閉店間際に立ち寄った。ありがとうを伝えるものから、ハッピーバースデー、ファイトなど、つい使いたくなるメッセージがたくさんあって、良い。7 days cards という、1週間7日毎日書いて誰かに送ろうという手軽さを表した名前が素敵で、もっと筆まめになりたいと思う。デザイナーさんは私が生まれる前からこれを作っているらしい。感服する。

さて、誰に手紙を書いて驚かせてやろうか。気持ちを膨らませながら、日曜日の夜、賑わう銀座をあとにする。ただでさえ自分には似つかわしくないハイセンスな街に足を踏み入れる資格が、自分にもあるのだということを誰かに示したくて、自分より年上のポストカードを使いこなすオトナになろうと決意する。それができれば、仕事がうまくいかないということがちょっとだけ解決するんじゃないか、と一瞬だけど思った。