大人

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1月12日。成人の日。

 

振袖姿の女の子を見た。新成人になったことが嬉しく、どこかウキウキしているように見えた。翻って自分は・・・世間で言うところの「大人」になって10年以上経つのに、いまだに自分のことをガキだなぁと感じることがある。もしかしてまだ大人になっていないのか?いや、でも電車内で中高校生と同じ空間にいると、「うわぁ、子供だなぁ」と思い、その感覚についていけないのも確かだ。やっぱり、大人になったんだとは思う、たぶん。

 

あの頃は、私も、大人になることが誇らしく、ワクワクした。自立した人間として認められるようになろう、と意気込んでいた。全部がそうだとは言わないけれど、少なからず苦痛も多かった「学校」を卒業し、自分の意思で行き先を決めていく世界へ足を踏み入れる。それがどれだけ希望に満ちていたか。いま、そんな世界を当たり前のように、ありがたみを感じずに、目の前の仕事に取り組んでいるのだと気づき、もっと、「大人」であることの自覚を持とう、もっと、自分が自分を動かしているのだという自覚を持とうと思った。もしかしたら成人の日は、新成人のための日じゃなくて、成人であることを忘れた人のための日かもしれない。

 

 

駅前のパン屋でコーヒー飲んでたら、仕事の電話があった。ちょっと良い報告だった。そのことに浮かれて、のんびり寛ごうと、行きつけのダイニングへ行った。帰りがけに、大好きなケーキ屋でケーキを買った。クリスマスにケーキを買うとか、丑の日にうな重を食べるとか、社会全体のイベントに流されてモノを買うのがあまり好きじゃない、天邪鬼な自分。自分が食べたい、と思っちゃった時に、抵抗なく買うのが、いい。

 

ただ、同じ日に、かつ短い時間に、自分にとっての快適を詰め込み過ぎると、これ以上の快適はなく、これから明日以降、落ちる一方なのではないか、と不安になる。だから、嬉しいこと、気持ち良いことを重ねないように、翌日にとっておくんだ。良い報告があった案件が一転、白紙に、なんてことのないように、慢心するなよ。ここで喜んだだけなら、大人じゃない。