スリル

知的な笑いが好きだ。「お笑い」と「知性」はお互い遠いところにあるようなイメージもあるけれど、実際そんなことはない。瞬発力や破壊力のある一瞬の笑いももちろんいい。でもここで言っているのは、ストーリーがあってそこで徐々に盛り上がっていき、オチで急降下する、一言で言うと「どんでん返し」のある笑い。どんでん返された瞬間の鳥肌が立つ感じがたまらなくいい。

  

最近好きなのが彼ら。知的な笑いといえば真っ先に思い浮かぶのはラーメンズかアンジャッシュか。でもそれ以外でも、ただ笑わせるだけでない、考えながら見られる、一連のストーリーの中に起伏がある、そういう笑いをつくれる芸人がいるのが嬉しい。

 

理想のストーリーの時間配分。

20%:話の枠組み、設定を理解し、その設定の突拍子なさにまず笑う。

50%:そのまま話に引き込まれていって、次はどうなる?と気が気でない状態。

80%:「そういうことか!」と驚き、終わりかと思いきや、事態は急展開を迎える。

100%:再度「そういう話か!」と驚いて終わる。

 

結局いままでのやりとりは最後のオチのための準備でしかなかったのか?みたいな。そんなのが理想。

 

ラストの1割手前くらいで大きく流れが変わり、まるで違う方向へ話が進む。どんでん返しがくる瞬間の「ぞくぞくっ」感がいい。それはお笑いに限らず、「相棒」にしてもそう。予想外の展開に突入する瞬間のスリルをもっと味わいたい。