プレイヤー

CDを買う習慣がなくなってしまっていたことに気づいた。きっかけはLUNA SEAの新曲を買おうと行ったいつものイオン。そこにあるはずのCDショップはなくなって違う店になっていた。「そうか、そういえばなくなったんだった」店を前にしてようやく気づく。ここで買えないとしたら、あとはちょっと離れたTSUTAYAくらいしかない。そのTSUTAYAもこのあいだ仕事帰りに寄ったら在庫切れ。ガクッときた。

 

すぐ近くにCDショップがなくても生活上なんの問題もないということだ。CDに小遣いの大半を注ぎ込んで音楽ばっか聴いてた高校大学時代から考えるとこれは大きな変化。それも悪い方への変化だ。

 

あの頃は、とにかくCDを買って急いで家に帰って、部屋に入って、CDプレイヤーにセットして(ジャケットと歌詞カードをちょっと眺めてニヤニヤするのも忘れずに)、携帯の電源を切って、邪魔が入らないことを確認して、深呼吸して、ボリュームを確認して(大きすぎないように、しかし小さくしすぎて両チャンネルからちゃんと音が聞こえないということのないように)、あっとその前にトイレ行って済ませてきて、でもう一度深呼吸して・・・と事前準備を周到にした上で、震える手でスタートボタンを押す、と、少し誇張したけど、そういうのが通例だった。音楽そのものより、むしろそれを聴くまでのプロセスに興奮していたのかもしれない。

 

http://mimachigai.exblog.jp/18576562/

出典:イラストレーター小山健氏のブログより。あの頃を思い出させてくれる感動。

 

そこへきていまはどうだろう。そもそもCDを聴くための専用のプレイヤーがない。

 

ちょっと前まではカーステがあった。大音量で音楽聴きながらドライブってのが大好きだったので、音楽を聴く方法=カーステが長らく主流だった。そう毎日乗るわけでもなかったのに、そこで聴くのが主流だったということは、きっと聴く音楽が昔に比べて格段に減ったのだろう。その頃主流だったいわゆる「Jポップ」に全然興味がなかったことが大きな理由だと思う。学生時代大好きだった2大バンドが解散してしまったというのも大きい。

 

いまは車に全然乗らないので、さらにCDを聴かなくなった。自宅にあるCDを再生できるツールはこのノートパソコンだけだ。あとはケータイに大好きな曲だけ厳選して着うたフルをダウンロードして、通勤中に聴くだけ。はたしてこれでいいのか?まずいでしょう。なにより日常に感動がない。

 

音質にとことんこだわってつくっている彼らの新曲は、ノートパソコンで「代用」するのではなく、しかるべきツールを使って聴きたい。でも現実問題としてそんなツールはない。彼らにはホントいつも悩まされる。でも、悩ましいと言いながらも喜んで彼らに翻弄されている自分を客観的に見ると、実は昔と変わってないじゃん、とも思う。