2011年12月23日現在、「相棒」のストーリー数は、(来年の元日スペシャル含む。続編物はあわせて1作とする。劇場版や裏相棒は除く。)なんと170作!!
これだけ多くのストーリーを世に送り出し、ぼくを含め多くの視聴者を魅了し続けている「相棒」
これだけの人気番組になったのも、キャラクターの奇抜さもさることながら、何よりもこれらのストーリーの質の高さがあってのことだろう。
そんな「相棒」の数あるストーリーの中に、DVDはもちろん、公式サイトのストーリー一覧からも削除されてしまった「幻の」ストーリーが存在した!!
それが・・・
シーズン3 第7話 「夢を喰う女」
(記録がないため、登場人物名などは不明。内容もうろ覚えですみません)
巷では連続殺人事件が発生していた。被害者が皆、白紙の本を持っていたという共通点があった。右京は、被害者のもう一つの共通点として、同じ図書館の貸し出しカードを持っていることに気付く。
その図書館で、司書(役:高岡早紀)から、被害者が共通して「自分史」に関する本を借りていたことを聞く。世間は「自分史」ブームで、定年退職後に会社員時代のことを振り返って本にまとめる男性が多い。被害者も「自分史」をつくろうとしており、その代理筆記を司書に相談していた。共通して被害者と接点のある司書に疑いがかかるが、彼女にはアリバイがある・・・
そんな彼女を訪ねると、膨大な本に囲まれた暮らしをしていた。本が大好きで、それと同じくらい、様々な体験をしてきた男性の体験談を聞くことが好きで、人の話を聞くことで自分も追体験ができると言う。そんな折、被害者が共通して1000万円もの大金を誰かに振り込んでいたことが分かる。果たして事件とどう関係しているのか?そして司書は事件にどう関与しているのか??
「欠番」になっている本作を紹介するのは完全に諦めていたけれど、ふとしたきっかけで動画サイトで観たので(いいのかな?別にいいんですよね?)、紹介します。
いまシーズン10だから、シーズン3は7年前。
いまほど本格的に見ていなかった時期だったから、正直リアルタイムでの放送のことはほとんど覚えていません。
なんせ1回の放送を最後に、公式ホームページからも姿を消してしまったおかげで、ストーリーすら見られなくなってしまったから。
ただ高岡早紀が出てて美人だったなぁ・・・くらいの記憶しかなかった。
この「幻の」ストーリーとなってしまった理由として、ウィキペディアによると、
『Season3第7話「夢を喰う女」は、閲覧者の個人情報を図書館の司書から聞き出す場面に対して、日本図書館協会から「地方公務員法違反になりかねない」「警察においてもこのようなことは現在ほとんどしていない」という意見が、他にも世田谷区の図書館など図書館関係者からの指摘が寄せられたため欠番となっている。』
だそうです。つまり高岡早紀演じる図書館司書が、利用者の貸し出し図書のデータを簡単に教えてしまう点が現実離れしている、との指摘があって、テレビ朝日側の配慮により「欠番」となってしまった、ということ。
・・・なんじゃそりゃ。
フィクションとして単純にストーリーを楽しむという視点に立てば、何にも気にならないと思うんだけど。
脚本家がかわいそうだ。
とにかく、欠番という非常に悲しい運命を背負った本作。
しかし、いまそのストーリーを冷静に観ると、とてもミステリアスな気分になってそれがまた面白い。
司書は結局、自分史をつくろうとする男にたかってお金を巻き上げる悪女だったのか?いやいや、空っぽである自分を知識で満たすために、夢を語る男たちから「夢を喰って」吸収していただけなのか・・・
結局殺人犯はなんでもない別人だった、というのは他にもあるけど、焦点があてられた人物の善悪が不明確なまま(少なくともぼくにとっては)終わり、不完全燃焼感が残るこの感覚は、シーズン10までのストーリー全てを通しても他にない、異質なストーリーだと思う。
問題のシーンの議論はとりあえず置いておいて、個人的にはDVD化を切に願う。