死亡フラグが立ちました!

死亡フラグが立ちました! 凶器は・・・バナナの皮!?殺人事件」 宝島社 七尾与史


1.弱小出版社のライター・陣内は、巷で話題になっている代議士秘書の事故死の原因が、都市伝説である「死神」による仕業であることを突き止めるよう、上司に命じられる。代議士秘書は交差点を渡っているところを、飲酒運転のドライバーによってはねられていた。警察は事故として処理していたが、秘書が代議士の汚職に関する重大な秘密を握っていると思われていたことから、何者かに偶然を装って殺されたのではないか、という疑惑がかかっていた。さらに陣内は、同じビルに事務所を構えるヤクザの松重から、組長も不審な事故死をしていたことを知る。陣内は松重と、それに破天荒な天才投資家・本宮とともに、「死神」の行方を追う。


2.新人刑事の御室は、コンビを組む上司の板橋警部の変人ぶりに悩まされていた。板橋は刑事ドラマに影響を受けすぎていて、突拍子もない推理で捜査を混乱させる。板橋は、代議士秘書の事故死を、単なる事故死ではないと疑っていた。そんな板橋が変人ぶりを発揮するきっかけとなった昔の事件・・・それは、とある一家惨殺事件。両親と子供は惨殺され、息子の一人、田中鳥栖夫は行方不明となっていた。板橋は、鳥栖夫の学校で聞き込みをし、その素顔を聞くうち、あるトンデモない推理をする。そしていま、その推理に付き合わされる御室だったが・・・


3.渥美真由は、田舎で暮らす中学生。若作りの母親は懸賞マニアで、家電製品や高級食材をいとも簡単に懸賞であててしまう。そんな母親のもとに、今日も懸賞で当たった高級ピーナッツバターが届く。母親は応募した覚えがないというが・・・


4.「高円寺麻里」という作家をこよなく愛する南山宇美。「高円寺麻里」の小説に出てくる主人公「北川空」に自分を同化させていた。そんな折、不倫相手の子を妊娠したと知り、そのことを相手に伝える。




偶然にみせかけて人を殺す「死神」を中心として、複数のストーリーがどんどんシンクロしていきます。


まるで伊坂幸太郎の小説を読んでいるかのようなスリリングな展開でした。


サブリミナル効果」で人を事故死へ誘導するとか、好き嫌いから行動を予測するとか、そんな「偶然のようで実は故意に操られていた」行動が、今回の結末を招きます。


ラストは・・・予想通りというか、予想外というか。半分予想通りだったけど、「そこに隠れてたのか!!」といった感じか。


実は「共犯関係」ではなく「魔女が死神を操っていた」ということがビックリ。


「えぇ、これで終わりぃ??」て声に出して言っちゃいそうになるようなオチだったけど、こういうのもアリなのかな?