テレビの終焉

最近テレビをほとんど見なくなった。昔はほとんど毎日、ほとんど習慣のように見ていたのに。テレビにしても新聞にしても、向こうから情報を一方的に送りつけてくるメディアには躍らされてはいけない、というような趣旨の言葉を、小飼弾氏の本で読んで「なるほどな」と思った覚えがある。「情報洪水に溺れないコツは、一方的に送られてくる『プッシュ型』の情報を一度全部捨ててみる」(出典:弾言 成功する人生とバランスシートの使い方 アスペクト)ことなんだって。確かにおもしろい番組の中にも、大しておもしろくもないところは少なからずあり、それも含めて漫然と見てるのでは無駄だ、というのもあるだろう。そんな言葉に妙な説得力を感じて以来、テレビというメディアに好感をもてなくなり、いまはどちらかというと「バカバカしい」というイメージの方が多い気がする。そんなことを、ついさっきまで所さんの目がテンを見ながら考えてました。いやいや、この番組は見てもいいんです。昔からためになる実験いろいろやってるし、所さん人間的にステキだし、矢野さん面白いし、佐藤アナ美人だし。



このブログでストーリー紹介をしている刑事ドラマ「相棒」と、あと所さんの目がテンぐらいだろうか、いま意識して見ようとしているテレビ番組は。「相棒」はいまオフシーズンなので、いま自宅のテレビの電源が点くのは、土曜日の夕方5時くらい。それくらいテレビを見ることが少なくなったから、多少なりとも節電に協力できているだろうか。その分こうしてパソコンでぐうたらネットサーフィンしたり、暑いからとエアコンつけたりしてたら、結局はあんまり変わらないのだけれど。



昔、好きだったテレビ番組ベスト3はなんだろう、と考えると、行列のできる法律相談所が間違いなくランクインしていた。法律の勉強にもなるし、なにより、弁護士のバトルを見るたびに法律が実は機械的ではなく、人間的であることを知ることができたから。100人中100人が同じ結論にたどりつくために法律があるのだと思ってたかつてのぼくにとって、4人4様の見解はすごく刺激的だった記憶がある。それでも最近は完全に法律番組ではなくなってしまったし、弁護士軍団も芸能人になってしまったし、昔の法律番組としての面白さはみじんも感じられない。人情味あふれることを言う丸山弁護士と、それを真っ向から否定する熱血漢北村弁護士、弱者を救うかのごとく頼もしいことを言って視聴者を安心させるお母さん的存在の住田弁護士、そして論理的なキラーマシン久保田弁護士(!)。あのころの面白さはもう絶対再現不可能だろうな。



そして忘れてはいけないのが笑う犬の冒険。日曜日の夜、翌日からまた1週間、学校が始まる、というブルーな気持ちを忘れさせてくれる、休日最後の楽園だった。谷啓が指揮するブラスバンドのメロディーにのって踊る笑う犬メンバー。一人づつお題に答えていくオープニングは、ホントに日曜日の最後の晩餐だった。ウッチャンナンチャンは流石だったし、ビビる大木の必死っぷりもよかったし、ネプチューンの3者3様も見事だったし、遠山さんは美人だし・・・




そしてそして、いま思い出した、過去最高にのめり込んでいた番組があった。それが「マジカル頭脳パワー」。小学生の頃だっただろうか。司会の板東英二が妙に張りきってたあのオバケクイズ番組の、当時の視聴者に与えた影響は計り知れない。その後、あれに勝るクイズ番組があっただろうか。今後も絶対ないでしょう?「マジカルバナナ♪バナナといったら・・・」ブームになるようなゲームをたくさんつくる製作者は天才だと改めて思う。当時ダントツで優秀パネラーだった所さんには舌を巻いたし、板東英二のハシャギっぷりも面白かったし、珍解答を連発する寛平ちゃんも素敵だったし、美人なのにこれまた珍解答を連発する加藤紀子に心奪われるものがあったし。



こうして、かつての面白いテレビ番組を思い出しながら、当時の面白さを受け継いでいるテレビ番組が最近ないような気がして(あるんだけどただぼくが見ていなくて知らないだけかもしれないが)、テレビも終わったな、と感じる。7月から地デジ化するそうで、ずいぶん前からテレビ画面上に「あなたのご覧になってるテレビは7月以降映らなくなります」なんてテロップが流れて地デジ化を急かされてるけど、こうなったらいっそのことテレビが完全に見られなくなってしまっても別にいいかな、て思うようになってきた。ただ問題は、最低限見なくちゃいけない、土曜夕方5時の「所さんの目がテン」と、10月〜3月の「相棒」をどうしようか、というくらいで。ひとまず、ケータイのワンセグでなんとかやりすごせるだろうか・・・