ホントになんの根拠もなく順不同に紹介します、「相棒」カテゴリ。
本日はシーズン7の第18話「悪意の行方」です。
右京と「特命係第三の男」こと陣川の二人が監禁された!二人が目を覚ましたときには暗い倉庫のような所に閉じ込められていた。二人はそれぞれ何者かに襲われて気絶し、ここに連れてこられたようだ。
天井のガラスを割っていたところを、110番通報を受けた警官に助けられる。いったい誰が二人を監禁したのか?現場近くに落ちていた携帯電話から、とある私立中学校の女教師・伊藤真央にたどり着く。真央は携帯電話をなくしたと言い、監禁現場には行っていないと言う。そのとき彼女の携帯に、彼女を侮辱する悪質なメールが届く。なんでも、「学校裏サイト」という生徒が学校の悪口を言い合う掲示板を設立したという生徒・卓也を退学させたとして、卓也が真央を恨んでいるのでは、というのだ。
一方、右京と陣川を助けた通報者に接触する陣川。通報者は、IT企業に勤める優子。優子は学生時代、実家の本屋が万引きの被害にあってつぶれてしまったという過去を陣川に打ち明ける。陣川はその優子に惚れてしまう。
一体右京と陣川を監禁したのは誰なのか?右京は、真央が卓也を退学させた一件で真央に恨みを持った人物が真央に罪を着せるための犯行ではと推理する。卓也を突き止めると、彼は学校裏サイトを設立したことを認める。しかし、その掲示板に真央の実名をのせて、掲示板を盛り上げたのは彼ではない。誰が真央の実名を掲示板に書き込んだのか?
真央がその掲示板を運営しているSNSの参加者の一人である事が分かる。話を聞くと、真央はそこで学校教師のコミュニティに参加しており、そこで、彼女が中学時代、ネットいじめにあっていた同級生へのいじめに便乗して、その子の実家の住所を掲示板に書き、結果、その子の実家の商店で万引きが相次いだ、という過去の過ちを書き込んでいた。そこで右京と陣川は、優子と同じ境遇であることを思い出す・・・
実は、優子が勤めていたIT企業こそ、そのSNSを運営する会社で、彼女はそこで掲示板の監視作業をしていたのだ。彼女は偶然、真央の告白を見て、真央こそが自分の実家の本屋をつぶした張本人だと思い込み、真央が参加している別のコミュニティから、真央の実名や勤めている学校、卒業した中学校などの情報を知り、真央に復讐するために、学校裏サイトに真央の実名を書き込んでしまったのだ。最初はちょっとした復讐の気持ちだったのだが、掲示板が予想以上に盛り上がってしまい、恐くなって自分の書き込みを削除するも、盛り上がりは消えず、また、警察に恨みを持っていた優子が「学校裏サイトを摘発したのは警視庁特命係」と書き込み、それがきっかけで右京と陣川が狙われたことに恐怖を感じ、二人を助ける通報をしたのだった。
かつて優子も中学時代、ネットいじめにあっていた。
その結果実家の本屋は万引きが相次いでつぶれた。
なんでそのことを警察はもっとはやく捜査してくれなかったのか?
警察に恨みをもった一人の女性がひきおこしたちょっとした悪意が、ネットのなかで大きく膨らみ、お互いに素性を知らない者同士が結託して犯罪を犯すという、現代の情報社会に潜む危険を浮き彫りにしたストーリーです。
殺人が一切なく、割と平和な今作。
犯人の犯行も、そもそも犯罪と呼べるのかビミョーな今作。
だけど、確実に潜んでいる悪意がネットの掲示板という中で、悪意者の予想をはるかに上回るスピードで膨れ上がり、予想だにしない展開へと発展してしまう今作には、ネット社会の危険がメッセージとして発せられています。
本筋外でも、優子に惚れてしまう陣川、相変わらずの勘違い捜査で右京を困らせる陣川と、陣川の魅力満載の今作。
殺人もないし、軽いノリで観られる面白い話です。
これを紹介したら、陣川が登場するシーズン3の「第三の男」、シーズン6の「陣川警部補の災難」も紹介しないわけにはいきません。
これらについては、また改めて紹介します。