レジ袋

毎週末、スーパーで1週間分の食材をまとめて買う。レジに並ぶと、袋はいかがしますか、と店員さんに聞かれるので、最近は聞かれる前に、「大きい袋、1枚(たまに2枚)お願いします」と言う。以前はレジ袋は無料だったけれど、いまは有料だ。マイバッグを持ってくるなどして袋の供給を減らそうというものだ。袋にだって原価はかかっているのだから。

 

毎回マイバッグをかばんに入れるのを忘れては、1枚袋を買っていた。が、昨日は忘れずにマイバッグを持っていくことができた。袋はいりません、と答えるちょっとした優越感。しかしその日はお米5キロを買った。お米など大きくて重いものを入れる袋は通常無料だ。「お米用の袋はおつけしてよろしいですか?」律義に店員さんに聞かれ、もしかしたらかばんの中に入るかもしれないからそれすらもいらないんじゃないか、と思ったけれど、お言葉に甘えて受け取った。結局はかばんに入ったから、お米用の袋もいらなかったことになる。不要だと思ったら、たとえ無料だろうが受け取る必要はない。

 

スーパーでは袋が有料というのも珍しくないのに、本屋で買った本を入れる袋が有料だという話は聞いたことがない。本屋の利益率の低さにのけぞったカリスマ書店員さんが、袋を有料にするシステムを本屋に導入したらどれだけ経費が削減できるのだろうか、と提起する。マイバッグを持っていき「袋はいりません」なんてかっこつけるまでもなく、本は剥き出しで手に持っていても、脇に挟んでいても、様になる。ぜんぜんかっこわるくない。「袋はいりません」を本屋でも口癖にしたいと心から思った。

 

本当に袋が必要なら、たとえ有料だとしても買うだろう。本屋こそ、袋を有料にすべきじゃないか。

 

小脇に抱えて様になるのは、断然、水菜より本である。

 

本屋の新井

本屋の新井

  • 作者:新井 見枝香
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)