電子書籍にはいまだに慣れない

読み始めたのはいつだったか、何年前だったか、もう忘れてしまった。もしかしたら単行本が出てすぐだったのかもしれない。でも単行本では買わず、電子書籍で読み始めたことは覚えている。i Pad mini で楽天koboを試そうと思い立ち、じゃあ小説でもと思ってダウンロードしたんじゃなかったか。

 

最初こそスリリングな展開で幕を開けるも、だんだん読み進められなくなってきた。私はそれをいまでも「紙の本と電子書籍との決定的な違い」のせいにしている。画面だとなんだか目が疲れてずっと見ていられない気がする。残りページ数宇の感覚がないので読み進めている実感がわかない。ページをめくる時のほんのちょっとのロード時間に退屈する。などなど。

 

そんなわけで、割と序盤で読むのをやめ、そのまま数年が経ち、あるとき本屋で文庫本を見つけ、結局はそれを買った。それをさらに時間をかけて読み、ようやく読み終わった。時間こそかかったけれど、でもやっぱり本がいい。

 

ぶっきらぼうで、口が悪く、雑に生きているようで、たまにいいことを言う相葉時之に、「チルドレン」の陣内さんが重なる。冷静沈着、相葉時之に嫌気を感じながらも見捨てることができずに優しく包み込む井ノ原悠は、さしずめ「魔王」の安藤か。ちょっとした仲間の間違いからとんでもない連中と関わることになり、様々なアクションシーンを経て、壮大な規模の悪と戦うはめになる。最後、銀行の貸金庫が重要な舞台になるのだけれど、序盤を読んだのが数年前だったためほとんど覚えておらず、読み終わってから改めて序盤だけ読み返したら、その前フリが出てきていたのに驚いた。そうか、最初に伏線があって、最後に回収されるつくりになっていたのか。伏線に気づかず(覚えておらず)面白さを自ら半減させてしまったパターンだ。

 

「阿部和重×伊坂幸太郎」という共著スタイルだったけれど、自分にとっては、好きな伊坂幸太郎小説として存分に楽しめた。これを機会に、阿部和重作品も読みたい。

 

キャプテンサンダーボルト 上 (文春文庫)

キャプテンサンダーボルト 上 (文春文庫)

 

  

キャプテンサンダーボルト 下 (文春文庫)

キャプテンサンダーボルト 下 (文春文庫)

 

 

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