自分は作家にはなれそうにないけれど、作家を紹介することはできるかもしれない

雑司が谷の手創り市へ。一番の目的は、ジャムを買うこと。この手創り市で出会って本当に美味しいと思ったジャム屋さんがまた出店しているとのことで。そういえば、しばらくジャムを切らしていて、朝パンを食べるのをまたしばらくサボっていた。

 

ジャム屋さんと話をし(私は、他人に自分のことを憶えてもらえることが人一倍嬉しい質のようで、そういう人とは何度も会いたいと思う)、ハルカというみかんでつくったママレードジャムを買った。まっ黄色で、酸味が比較的少ないのだという。明日の朝ご飯が楽しみだ。

 

ここで、いろんな作家さんとその作品を見ながら思う。こんなにたくさん、自分の作品を発表しようとする人がいるけれど、彼、彼女らは、皆ちゃんとビジネスとして成立しているのだろうか。継続的に作品をつくりえる環境をもてているのだろうか。実際のところは当事者ではないので分からないけれど、きっとこういう人が集まる発表の場を必要とする作家さんも多いのだと思う。

 

実店舗を持っていて、手創り市の出店は自分の広報ツールの一部に過ぎない、という人もいるだろう。逆に実店舗を持たず、こうした出店をメインに活動している人もいるだろう。それとはまた別のパターンで、今日出会ったプリザーブドフラワー作家さんは、別に本業(庭師の見習いとのこと)があって、作家活動は副業なのだという。本業で得た知識、技術を作品作りに生かせるという利点もあれば、逆に作品作りで生まれたインスピレーションが本業の品質向上につながるという側面もあるだろう。いろんなケースの作家さんがいるなかで、それでも皆自分の作品の良さを知ってほしくて、アピールをする。その作品一つ一つに、メーカーの量産品にはない手づくりならではのあたたかさがあって、自分の生活をほんのちょっと豊かにしてくれる価値がある。だから、こういう作家さんがもっと胸を張って作品を発表し続けられる環境があってほしいと思う。

 

もし自分に何かできることがあるのであれば。自分自身はいわゆる作家として何かをつくり、その価値を発表することはできそうにないけれど、その代わり、こうしたすばらしい作品をつくる作家さんを紹介することはできる。この作品はこういう良さがあって、こういう考え方に共感できる方にはぴったりですよ、と教えてあげることはできる。そういう作家さんを多くの人に知ってもらえるような場所をつくるという役割だったら、もっと胸をはって、堂々とできる気がする。自分自身は住宅の設計はできないけれど、こんな素晴らしい設計者がいますよ、住宅がありますよ、と紹介するいまの自分の仕事と同じように。