大切なモノは目に見える場所に保管する

「大切にしたいモノがあるのなら、それは普段目に見える場所に保管しておくべきである」そんな言葉に触れる機会があり、それ以降、意識している。自分にはもったいないと思うくらい立派な壁面本棚をつくった時だって、収納している本を隠すための扉をつけることもちょっとは検討したけれど、すぐに却下した。本棚を、本を収容するための箱と考えるのであれば、そして、少しでも部屋をすっきりと見せることを優先するのであれば、本を隠して箱としてのインテリアをつくった方が良い。だけどそうはしなかったのは、自分にとっての本棚は本を収納する箱という機能にとどまらず、本の背表紙が並ぶさまがひとつのインテリアを形づくるのだと考えていたからだ。本は情報が記録されている媒体にとどまらず、その紙の塊そのものが一つの作品であり、美しさを持つモノでもあると考えていたからだ。そして何より、蔵書を目に見えないところで誇りまみれにさせることなく、常に目の届くところに置いておきたいと考えていたからだ。結果、部屋の中でご飯を食べている時でも、ウトウトしている時でも、こうして記事を書いている時でも、視界に入ることでその時その時に何か刺激が脳に入り込んできていると感じる。その感覚を、大事にしたい。

 

次に、密かにつくりたいと思い描いている家具がある。奮発して買ったCDコンポを置くローボードだ。それはCDコンポを置く専用とし、色も、雰囲気も、できればCDコンポと揃えたい。そして、いま本棚に入れて保管しているCDをそのローボードに移したい。

 

だけど、たいていのローボードは扉があって、その扉を閉めたら中に入れたものが見えない。ガラス窓にして見えるようにできるものもあるけれど、数は少ない。やはり、保管するCDを見えるようにはしたい。けれども一方で、本棚とは違って、面としての扉の素材感も出したい。家具の表情をつくる正面をCDジャケットで埋めるのではなく、木のやわらかさで包み込みたい。そんな葛藤が、いま自分の頭の中で渦巻いている。