大学生とサグラダファミリア

仕事終わりにコーヒーを飲みに喫茶店に入った。新しいスタッフだという彼女は建築学科で勉強中。将来は店舗設計の仕事をしたいのだとか。一応自分も大学で建築を勉強してきた(いまも勉強中)から、なんとなく話がはずんだ。留学するだとか、友達と海外旅行へ行っただとか、そういう話を聞くたびに、大学生の行動力はすごいと思う。14年前。大学3年生だった自分にそのような気力があっただろうか、と思い返すと、首を横に振らないといけない。あの頃は食って寝てギター弾いて、といった感じのぐうたら学生だった(ギターを弾く練習をしていた、ということに関してはぐうたらしてなかったと胸を張って言えるけれど)。

 

ヨーロッパ建築旅行。フランスへ行って、イタリアへ行って、スペインへ行って。スペインでは、サグラダファミリア、と普通に言うものだから、つい身を乗り出して「それでそれで?」となった。サグラダファミリアも、カサミラも、グエル公園も。すべてが比較的近いところにあったから、全部観て回りました。なんて、その小さい身体からは想像できないバイタリティ溢れることを平気で言う。大学生って、すごいね。

 

当時の自分にその気力はなかった。勉強して知識を吸収したいという欲求はあったはずだけれど、海外の見知らぬ土地に身を置いて、五感で刺激を受けようだなんて、自分には重すぎたんだと思う。その結果として、今がある。就職して1年目の社員旅行が初海外だなんて、恥ずかしくてあまり他人には言えない。

 

サグラダファミリアを生で見ること。それも、竣工する前に。これがちょっとした自分の夢だ。まぁ自分が生きている間は竣工しないだろうと思っていたけれど、結構すぐみたいですよ、と彼女に言われ、ぎょっとした。そうなの?

 

ガウディの独り言 (京都書院アーツコレクション―建築関係シリーズ)

ガウディの独り言 (京都書院アーツコレクション―建築関係シリーズ)