鎌倉のコモレビ

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午前中、事務所の元仲間が設計した住宅のオープンハウスで鎌倉に行ってきた。この駅で降りて歩いた記憶がないので、もしかしたら初めてかもしれない。とても恥ずかしいのだけれど。

 

その住宅は、木をふんだんに使った、風情ある鎌倉の街にぴったりの建築で、刺激を受けた。レッドシダーと焼杉の使い方が、とてもきれい。時間を経て経年変化する素材をもっと使って、時間とともに変わっていく様子を楽しめるような建築を、自分もつくっていきたい。

 

 

鎌倉市には「佐助」という住所があって、それを初めて聞いたときは「かっこいい地名だなぁ」と思った。「サスケ」と聞いて思い浮かぶものといったら・・・あのアスリートがアスレチックに挑むテレビ番組か。いや、その前に、赤と白と黒のマスクが印象的なプロレスラー「ザ・グレート・サスケ」か。とにかく、サスケといったら強く、かっこいい。そんな地名の住宅地を歩くと、観光客を乗せた人力車が通ったり、若い学生らしき男の子数人が思い思いに歩いていたりと、休日だからかもしれないけれど、けっこう賑わっていた。こんなに皆から愛されている街だったんだ、といまさらながら思う。

 

その「佐助」の由来だが、臥した源頼朝を看病しながら幕府をつくるよう進言した翁が、佐殿(すけどの。源頼朝のこと)を助けたから、というようなことを(うろ覚えです)、オープンハウス後に立ち寄った佐助稲荷神社で知った。まだまだ知らない歴史がたくさんある、当たり前だけれど。由緒正しきこの街のことを何も知らず、おしゃれで、都内とはまた違った先進的なスポットがたくさんあって、最近特に盛り上がりを見せてるなぁ、程度にしか感じていなかった私は、なんて愚かなんだ。そんな自分を恥じ、せめてもと思って神社のハイキングコースを少しだけ歩いた。「少しだけ」なのは、あまりの暑さにギブアップしたからだ。夕方、人と会う約束があったから、汗だくの漢になるわけにはいかなかった。

 

佐助稲荷神社で大木の隙間からふりそそぐ日差しを浴びながら、これが鎌倉なんだ、と身体にしみこませた。そのあとに、雑誌で見て行きたいと思っていた小さな文具屋と、小さなごはん処に行けたから、満足だ。大仏も、たくさんあるおしゃれスポットも、観光客で賑わう街並みも、また別の機会に、一日かけて歩きまわりたいと思う。