建築を楽しむ教科書

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昨日、事務所のスタッフと一緒に行った「社食堂」。いち設計事務所がここまでできるんだ、と驚かされた翌日の今日、手に取った雑誌に、「開く会社・開くオフィス」として掲載されていて、また驚いた。業界の最先端を行っている。私はと言えば、スタッフに誘われなかったら昨日行かなかったどころか、この先ずっと興味を持たずにいたかもしれない。

 

雑誌は、そこに載っている情報の速報性が強いというか、比較的早く情報が劣化して読み物として成り立たなくなるというイメージがあり、あまり好きではなかった。1年後に久しぶりにパラパラとページをめくって、「そんな時代だったのか~、いまじゃありえないな」と思っちゃうとしたら、情報でも何でもない、と。いや、情報じゃないわけではないのだけれど、毎日のニュースみたいに、すぐ過去のものになってどうでもよくなる情報だったら、得なくてもいいんじゃないか、と思っていた。でも、そうやって得る情報をふるいにかけてしまって、新鮮で刺激的な情報を受信できないとしたら、それはそれでもったいない。だから最近はあまりこだわらず、雑誌も読むようにしている。だいたい、たいして文字もないくせに、なんて思いながら買った雑誌の情報量が思いのほか多く、おなか一杯になることだってあるだろうに。

 

社会を深く観察して、問題点を浮き上がらせて、その解決方法を建築に見出す。専門分野や手法は違えど、自分だって、そうやって社会と関わりたいのではなかったか。コーポラティブハウスという、住まい手にとってこれ以上の喜びはないと思うような、オーダーメイドの住まいづくりができるしくみを扱っているじゃないか。どうせどんなに頑張って勉強したって建築設計なんてできやしないんだから。大学時代から漠然と考えていた「川上の仕事」をいましているのだという自覚を、もっともたなければ。

 

こんな雑誌を、知識を得るための教科書にしているなんて甘い、と言われるかもしれないが、それでもいい。知らないよりは。