大人エレベーター

箱根駅伝を観て、母校の力走を応援する。数年前に山の神が現れた頃が、きっかけだっただろうか。まるで当たり前のように優勝を繰り返すものだから、だんだんその凄さを感じなくなってきつつある。母校がタスキをつなぐ姿を見て、自分も今年も頑張ろう、といつも思う。

 

母校の力走に力をもらうのが本編だとしたら、、、。もうひとつ、さりげなく「すごいな」と思わせてくれるものがある。それがサッポロのコマーシャル「大人エレベーター」だ。妻夫木聡さんがいろんなかたにインタビューして格言を引き出す、あれだ。今年は所ジョージさん。

 

テレビで見る限り、自由に、やりたいことをとことんやっているように見える。自分が覚えている最も古い彼の記憶は、、、。子供の頃大好きだったクイズ番組「マジカル頭脳パワー」で、毎週一位をとっていた天才人間、というものだ。いわゆるお笑い芸人じゃないのに、面白く、かつ頭がいい。たちまち尊敬の対象になった彼は、歌も歌えて、ギターも弾けて、面白いアイデアをスルスルと形にしてしまう多才な、まさにタレント(才能)といえる人だ。私は当時加藤紀子さんが大好きで、当時彼女が今でいうおバカキャラに近い存在だったと思うのだが、所さんはそんな彼女の面白さを引き出すツッコミを入れる。頼り甲斐のあるお父さんといったイメージを、私は勝手に抱いている。

 

そんな彼が妻夫木さんに、「人生やり直せたらとか言うけど、みんな結局選んでいる方が正しいんだよ、全員」とか「好きな言葉は、、、みんなから好きって言われたいし、自分も好きって言いたいし。だから『好き』かな。嫌いな言葉は、、、ないよね」とか言っているのを聴いて、これがオトナなんだなぁ、と思った。彼に限らずオトナだなぁと思う人は共通して、寛容で、自分も他人も認めて、肯定的なんだ。

 

過去を悔やむんじゃなくて、これで良かったんだと思うようにしたら。嫌いな所や悪い所を探すより、好きな所や良い所を見つけて伝えるようにしたら。そしてやりたいことを恥ずかしがらず、そのかわり真剣にやり続けたら。かつてマジカル頭脳パワー加藤紀子さんを面白おかしくツッコんで彼女の魅力を引き出した所さんのように、頼り甲斐のあるオトナになれるだろうか。