人との関わりで得られるもの

自宅のポストに「ご招待」と書かれた封筒が入っていた。ドキドキしながら開けたら、大家さんからの写真展のお誘いが。「デジカメ写真部」という小さなコミュニティの展示が自宅のすぐ前のホールであるらしい。

 

おそらくはこの招待状、自宅アパートの住人全員に投函しているのではなく、大家さん主催のイベントにちょこちょこ顔を出している私へのメッセージなのだと、勝手に受け取っている。

 

思えば今年は、大家さん主催のイベントがきっかけで、多くの素敵な出会いに恵まれた。一生ものの壁面本棚をつくってくれる相棒に出会えたのもそう。自宅近くに本当に美味しいコーヒーを飲める喫茶店がないと嘆いていた自分を救ってくれたコーヒー屋に出会えたのもそう。音大生ミニコンサートで聴いて「パリは燃えているか」という素敵な曲を知ったのもそう。こういった出会いを、これから大切に、途切れさせないように育てていくことが、自分に課せられた使命だ。

 

 

行きつけのパスタ屋で、店員さんから個人的にショックな報告を受けた。一瞬頭が真っ白になったけれど、しばらくして、それを一客にすぎない自分に教えてくれた、彼女の心遣いに感動した。ミニプレゼントまでもらってしまった。こんなの、もったいなくて食べられない。

 

よく食べに来る常連さんだと気付いて欲しい、という下心は確かにあった。だけど、結局は一客にすぎないのだと思っていた。この日、彼女が自分を気遣ってくれたことで、いままでの記憶がすべて積み重なって、それが花開いたような、言葉にすると何言ってるのかよくわからない感じだけれど、そんな気がした。その優しさに、なんとかして応えなければならない。

 

 

こうした出会い、人との関わりあいが、暮らしを楽しく、ワクワクドキドキするようなモノにしてくれるのだと思う。明日を生きる力を与えてくれるのは、モノでもお金でも情報でも仕事そのものでもなく、ヒトだ。