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本棚プロジェクト、完成

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昔から、本を読まないガキだった。図書館、図書室といったところに足繁く通っていた仲間とは違い、全然興味がなかった。いま思い返すと、なんてもったいないことをしたのだろう、例えば中学高校の図書室の書棚には、もしかして楽しい本がいっぱいあったんじゃないか、それをタダで読めるなんてどれだけ贅沢だったんだろう、と思う。

 

そんな子供の頃の反動からか、意識して本を読むようになり、もちろん気分が乗らず何も読みたくない時も多々あるのだけれど、その意識はその後、本棚をつくりたいというワガママへと変わっていった。部屋にカッコいい本棚をつくり、それも壁一面を占めるようなでっかいものをつくり、そこに本を並べていく。この本棚に置かれた本の蓄積は、そのまま自分の脳みそへの知識・知恵の蓄積をあらわす。そんな自分の頭脳のような空間をつくりたいと思い、壁面本棚を家具屋さんにオーダーした。本当に清水の舞台から飛び降りるような覚悟をした。なんたって、これをつくったら一生使わなきゃバチがあたるだろう、というくらいの品質とコストがあったから。

 

大家さん主催の手づくり市で出会った家具屋さんの第一印象は、とにかく誠実で、謙虚で、優しい人、という感じ。この二人(夫婦でやってる家具屋さんです)にワガママを聞いてほしいなぁ、とその場で感じ、お願いすることとなった。チャラい人だったらどうしようかという心配があったけれど、それは杞憂だった。

 

仕事柄、クライアントとの住まいの打合せに参加することが多く、夢をふくらませながら打合せをする方に、すごく憧れていた。自分はまだ家の建て主にはなれないけれど、なにか自分でつくるという点において、つくり手にお願いする立場になりたいという想いもあった。じゃぁ何を頼もうか、とイメージをし続け、たどり着いたのが、壁面本棚を部屋にあわせてゼロからつくるというものだった。このくらいの寸法かな、といったイメージを家具屋さんに伝えたら、手描きの美しい図面が届き、興奮した。

 

正式に注文してから約2ヶ月。今日、本棚が出来上がった。デカいので5つのブロックに分けて搬入し、部屋の中で組み立てる。棚は金具で天井に突っ張って固定し、隙間をフィラーでふさぐ。そのフィラーはカンナで少しづつ削りながら取り付けていく。すごいなぁと思った。

 

出来上がった本棚は、それはもうかっこよかった。アルダーの無垢材でダイニングテーブルとあわせたら、フローリングともあい、決して圧迫感はなく、すんなり馴染んだ。せり出してくるような感じを受けるようだったら嫌だなぁと心配していたけれど、まったく問題なかった。

 

いまはまだスカスカな本棚。こんなに棚をつくって、入れるものがあるのかよと言われると、ない。昔好きで集めていた腕時計を、一区画に贅沢にひとつづつ置いても、まだ余る。それでも、この空白がこれから埋まっていくのかと想像すると、それだけで楽しい。少しづつ本を足していき、自分だけの本棚空間をつくりたい。そして本嫌いで頭が悪かった子供の頃のままではなく、中身のあるオトナになりたい。

 

その夢を、素敵な家具屋さんが手伝ってくれたことが、ただただ嬉しかった。会って話をしたり、メールでやり取りをしたりする度に、その誠実な人柄に触れ、自分もそうやって仕事をすべきだと思った。嬉しいことは嬉しいと真っ直ぐに伝えることが大切なのだと分かった。相手が嬉しいと思ってくれたことを知ると、自分も嬉しくなるのだと分かった。