日常生活を編集する

これでまた楽しみがひとつなくなってしまうのか・・・と寂しさを感じながら、最後のオトナの会話を聞く。

 

エラーが人を気づかせる、とか、扱い注意だからこそ大切なものが見えてくる、とか、なるほどと思うような話が多いのだけれど、私はそれよりもユースケサンタマリアさんの、自分が死神のような顔をしていることに気づいてテレビが嫌になった時期があった、という話のほうがなぜか印象的だった。そういうふうにふさぎ込む時期って、きっとどんなオトナにもあるんじゃないか、だから自分も少しくらいふさぎ込んだっていいんじゃないか、なんて思ったりした。

 

「編集」というのはなにも難しいことではなく誰もが日常的にやっていることで、たとえばお母さんが夕飯の献立を何にしようか、と考えて料理をしたり、スーパーに買い出しに行ったり、といったことも編集なのだ。そうすると、自分も普段、編集をしながら生活をしていることになる。私は編集者です。うん、一度でいいから言ってみたい。

 

 

午前中、本棚づくりをお願いしている家具屋さんと採寸や搬入経路の確認で打合せ。手土産にいただいた焼き菓子がとにかくおいしい。家具屋さんが来る前に近所のケーキ屋でお菓子を買ってこようかと思いながらも直前まで寝てしまい、差し入れすら出せなかった自分を悔やんだ。

 

その後、急いで家を出て仕事。駅前のATMで本棚の内金を払おうとするも行列ができていたのでやめて、さてどこで振込しようかと考えながら仕事場へ向かう。

 

外出仕事の後、明日の仕事の準備で少しだけと思って事務所へ行ったら、スタッフが皆いて驚いた。平日とほとんど変わらぬ風景に、一瞬休日であることを忘れさせる。

 

予想以上に時間がかかってしまったが、事務所を出て、駅前のATMで本棚の内金を振り込む。本当は現金で引き出して別の口座に入れてその口座から振込みたかったのだけれど、引き落とし額が一日の限度額を超えていたようで、断念。その後、明日の仕事で使う鍵を預かるために六本木にちょっと立ち寄って、帰る。妙典駅での人身事故の知らせを日比谷線の電光掲示板で見て、人身事故の悲しみと、帰りを直撃するダイアの乱れに、気が沈む。

 

そういえば昼飯を食べてなかった。だから不機嫌になるのだ。妙典駅に着いて早々、遅めの昼食、早めの夕食を食べる。腹ごしらえをしたのち、現金を引き出そうとしてATMに行ったら、一日の限度額および限度回数を超えているとのことで不可。なかなかうまくいかないもんだなぁと凹みながら、今日逃したら一週間行けなくなりそうなので、閉まる前に急いで行きつけの美容院へ。マスターとの他愛のない会話を楽しませてもらい、本についての情報交換もしつつ、店を出る。さすがにあたりは暗くなっていた。

 

 

休みとは言えやることが多く、ありがたいことに忙しくさせてもらい、一日を終える。明日も一日仕事だ。明日はもっとハードだ。休日脳ではいけない。

 

さて、今日一日を振り返って、私はちゃんと自分の動く手順を編集できていただろうか。なにかこう、行き当たりばったりになってはいなかっただろうか。明日はちゃんと編集して、仕事をしよう。