手作り市

自宅の目の前で、大家さんが企画している手作り市があり、初めて行ってきた。木工品やポストカード、革製品など、さまざまな「手づくりの一品」が並んでいて、手づくりの良さ、心地よさというものを再認識した。

 

小学生の頃の将来の夢が大工であったように、中学生の時の技術家庭の授業、特に木材加工の授業が大好きだったように、いまこうして職人に触れる機会の多い建築の仕事に携わっているように、自分でつくるということ自体に心をつかむ魅力があるのだと思う。作り手が目の前にいるという贅沢な状況で、作り手と話をしながら、そのモノについての物語を味わう。久しぶりに、休日らしい休日を過ごせたな、と夜になって思った。

 

イラスト入りポストカードにメッセージを書いて、送る。送る相手の顔を思い浮かべるのはもちろん、その絵を書いた作家さんの顔も思い浮かべながら。こうやって使ったら、メッセージを受け取った人だけでなく、作り手も喜んでくれるんじゃないかな、とか考えながら。

 

はたまた、ただお店でイイなと思った商品を買うのだとしたらそれで物語は終わりだけれど、例えば作り手が自分のことを考えながら作ってくれる革製品を身につけると、そこから無限の物語が生まれはしないだろうか。なにせ、自分のためにつくってくれるようなものだから。最高の贅沢だ。

 

大家さんとの出会いから、人と人とのつながりをつくりたいという大家さんの思惑通り、新しい出会いが生まれた。