Season9-1,2 顔のない男

冠城亘のシーズン14が終わって、好評不評あわせていろんな意見が飛び交っているのを、相変わらず世間の期待が大きい番組だなぁ、と驚きながら見ている。最初は、右京の相棒が変わって新しくなることがリアルだと信じていたのだけれど、最近は、相棒が変わることすらもまるでルーティンのようで、つい冷めた目で見てしまう。

 

亀山薫が辞めてしまい、新しく登場したのが神戸尊。彼のことを「薫ちゃんの代わりが務まるのか?」と疑いながら見ていた当時。その時の、特に印象に残っているストーリーが、これだった。

 

シーズン9 第1話「顔のない男」 第2話「顔のない男~贖罪」

 

相棒 season9 DVD-BOX I(6枚組)

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相棒season9(上) (朝日文庫)

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女性作家が自宅で死んでいるのが見つかる。最初は自殺かと思われたが、実は旦那が関わっていることが分かった。しかし旦那は嘘は認めるものの、殺してはいないと言い張る。そこで捜査線上に浮上するのが、上遠野という男だった。

 

作家のアシスタントをあっという間に殺し、マンションの屋上から突き落とす顔のない男。右京と尊の目の前で、顔のない男が逃走するシーンが目に焼き付いている。

 

「多くの人間が利益を得るためには小さな犠牲はやむを得ない」という黒幕の言葉が、上遠野を苦しめる。かつて、訓練中に自暴自棄になって暴れた隊員を射殺したことを悔やむ上遠野にとって、その言葉は自分を正当化させるものであった。しかし最終的には、怒りの先がその黒幕へと向かう。東京ドームシティの群衆の中で、上遠野をとめようとする右京と尊がかっこいい。そのかっこよさを上回る衝撃度の結末だったけれど。

 

利益を得るためには、多少の不利益は仕方がないことなのか?「相棒」はいつも、難しい、というか、答えのない、というか、そういう疑問を投げかける。その答えは、いまだに、分からない。