食べログ

ふらっと電車で出かけた散歩の帰り。特にどこへ行って何をした、と報告するほどでもない、意味のない散歩の帰り(もちろん自分の中では意味はあったけれど)。目に見える収穫が何一つない、とりとめもない散歩の帰り。帰宅間際に初めて立ち寄った南行徳のケーキ屋で、買ったケーキが美味しかった。そのことが、そんな一日の最大の収穫だったのかもしれません。こういうとき、食べログは役に立ちます。

 

ひとりケーキ屋に入り、いくつか選び、会計を待っている間のことでした。ふと後ろの壁を見ると、そこにはたくさんの写真や、手紙が留められていました。その手紙がふと目にとまり、つい盗み読みをしました。そのお店に宛てたお客さんからの手紙には、南行徳に越してきて、そのケーキ屋の美味しいケーキに癒されたこと、そこでケーキを買うことを楽しみにしているということが、淡々と綴られていました。

 

そういう手紙を壁に貼って大切にしてくれるお店も、素敵だなぁと思いました。それと同時に、こういう感謝の気持を、それも、まぁ読む限りは自宅の近くにあった一ケーキ屋に過ぎないであろうお店に、直筆の手紙で伝えるということが、すごく美しいことのように感じました。この手紙を書いたお客さん、きっと素直で正直な方なんだろうなぁ。

 

買って食べたシュークリームは、カスタードクリームがはみ出て食べづらくはあったけれど、また行こう、と思うには充分すぎる味でした。

 

都内の美味しい名店を知ることよりも、たとえひっそりとでも、繁盛していようとも、自宅近くできちっと仕事をしているお店を知ることのほうが、はるかに誇らしく思うのです。さらには、素直で正直で、美しいお客さんをファンに持っている、というストーリー付きのお店。出会えたことに感謝します。食べログに感謝します。

 

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