石の上にも

「石の上にも3年」という。どんなにそれが不本意であっても、3年我慢すると実力がついてくるよ、といった感じの意味か。だから3年は、それなりに長いものでないと意味がない。嫌だな、だからすぐ辞めよう、じゃなくて、せめて3年は我慢しようよ、そうすれば見えてくるものもあるよ、という気持ちになる。しかし、私にとってのこの3年は、実力を蓄えることを意識するにしてはあまりにも短く感じた。

 

大学を卒業して、就職した建設会社を、今後ないのではないかと思うくらい思い切って決断して、辞めて、転職して、今日で3年が経つ。この3年間が、「石の上にも3年だ」と言えるくらいじっくり実力を積む時間に費やせたかと思うと、そんな気は全くしない。あっという間で、どちらかというと、目の前の仕事を追うつもりが追われていていつの間にか3年経ってた、くらいの感じだ。なんでだろう。待ち遠しいイベントを待つ1週間は地獄のように長いのに。

 

でも、私からすれば、3年程度同じところにいることなんて、すごいことでもなんでもない。その時間で何か運命の転機になるような仕事術を得られるかといえば、そうでもないと思う。だから、3年いたこと自体を誇りに思うつもりは、ない。それよりも、期待以上の実績を出しましょうよ、と自分に言いたい。

 

目の前の顧客に「ありがとう」と言ってもらうこと。これだけでいい。これだけを目標に、続ける。