茶色

無意識のうちにあらゆるものの「色」が統一されていく。そんな感覚を味わった。

 

昼間、銀座で買い物。靴を買い換えようと漠然と考えていたけれど、特に今日買おう、と意気込むでもなく、ふらふらと百貨店を歩き回っていた。たどり着いた靴屋で、いい感じのスニーカーに出会った。革靴でなくていいのだけれど、でもカジュアル過ぎない、ジャケットを着るような時でも履けるような、オトナなスニーカーがいいな。そんなイメージに合うものだったので、それを選んだ。

 

特に意識するでもなく、濃い茶色を選んだ。店員さんに勧められるまま履いて、サイズを確かめる。よし、これでいい、と思っていたら、

 

店員さん「素敵ですね」

わたし「ありがとうございます(デレデレ)・・・あっ靴がね?(焦)」

店員さん「あっいやいや。お召になってるジャケットの茶色とよく合ってますね」

 

そこで、その時に自分が茶色いジャケットを着ていたことに気づいた。「同じ色か」と思いながら靴を脱ごうとすると・・・靴下もたまたま茶色だった。

 

偶然なんだろうけれど、同じ色が揃うとなぜか気持ちがスッキリするものだ。自分ってこの色が好きなのか?と、普段あまり深く考えないことを改めて認識した瞬間だった。

 

そのあと、銀座に遊びに来たときはたいてい立ち寄る渋めの喫茶店で。ブレンドのケーキセットを注文する。昨日から読んでいる「月のうた」を読み進めながら、ケーキをほおばる、そのケーキがモンブランであったことに、あとで気づいた。コーヒーにモンブランに、どれだけ茶色に吸い寄せられるのだろう。