Season12-18 待ちぼうけ

13シーズン目の相棒も、いよいよ最終回らしい。カイト君が卒業して、どうなってしまうのか。なんて相棒の交代劇も、もはや驚かなくなった。仕事で、ほぼ全て見られてないし。

 

最終回の予告編を見る限り、相棒らしい、邪悪な敵と頭脳戦を繰り広げる、といった濃い内容になっていそう。でも、いつのときも、私にとっての「相棒らしさ」は、こういう残忍な犯人と対決する中で「正義とは何か」を考えるような話より、スケールこそ大きくはないものの、つい「オッ」と身を乗り出すような仕掛けが施された、そんな面白いストーリーにこそある気がする。

 

その面白さを如実に表しているのが、本作。

 

相棒 season12 下 (朝日文庫)

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相棒 season 12 DVD-BOX II (6枚組)

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 シーズン12 第18話 「待ちぼうけ」

 

1.

非番。右京は、地方の無人駅で、電車を待つひとりの男・友部(役:太川陽介)に会う。友部と席を一緒にしながら、右京は友部が靴職人であることを知る。

 

2.

同じく非番。享は喫茶店で、ひとりでぼんやりと座っている女性(役:芳本美代子)を見つけ、ナンパする。彼女は、愛した男にメールで別れを告げられ、まさに傷心中だった。

 

3.

一方、捜査一課の伊丹らは、昨夜殺された男の殺害現場に来ていた。現場についていた血痕が犯人のものであると察知、犯人はすぐ近くに住むものであることをつきとめた伊丹。右京と享が非番であることを知り、邪魔者がいないと頭が冴え渡ると言いながら、頭を働かせ、犯人が住むと思われるアパートをつきとめる。しかし・・・

 

 

伊丹が難なく事件解決か?と思われたが、実は右京と享がそれよりも前に事件を嗅ぎつけ、犯人を突き止め、追いかけていたことが分かる。それが上記の1と2だった。右京と享は非番でそれぞれ休みを満喫しているのかと思いきや、実は伊丹の目の前の事件を追っていたのだ。

 

異なる二つの場面でのやりとりが、どんどん繋がっていく。まるでパズルが完成した時のような、感動が味わえる。

 

彼女を巻き込まないようにしようという、男の優しさ。そして、そんな男を待つ彼女。なにがどうして、とうまく説明できないのだけれど、なぜか泣けてくる、いい話です。