ポイント

3月14日。土曜日。

 

夜、行きつけの本屋とパスタ屋の組み合わせで、ひとりの時間。松浦弥太郎さんの本と生パスタ。この組み合わせが、やみつきになりつつある。

 

くちぶえカタログ (静山社文庫)

くちぶえカタログ (静山社文庫)

 

 

笑顔の素敵な店員さんが魅力的なお店で、ラストオーダー後、ひとりきりになるまで居座った。デートらしき男女客が多い中で、少し寂しさはあるものの、まぁ気にせず、ぼんやりと、きれいな文章を目でなぞる。ただ単に欲望だけでモノを所有しようとするのはやめよう、とこの本を読んで気持ちを新たにした。

 

とにかく居心地がよく、パスタも美味しく、素敵な店なのだ。チェーン店で画一的なサービスなのかと思うと、席に座るなり店員さんがやってきて「ご来店ありがとうございます」と来る。この一言が無性にうれしいのだ。テラス席の鉢植えのオリーブ(植物音痴の僕でもひと目で分かる数少ない樹木)が、元気をくれるようなのだ。

 

帰り際、レジでくれたポイントカードが、これほど嬉しかったことも、そうない。普段、ポイントなんて集まらないからという理由で発行すらしない私が、自ら「ください」と言ってしまうのも、そうない。相変わらずポイントがたまるには気が遠くなるようなシステムではあるが、張り切ってためちゃおう、とも思う。このポイントがたまるころには、笑顔の素敵な店員さんに覚えてもらえ、松浦弥太郎さんの人生観を自分のものにできるかもしれない。