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妄想を妄想で終わらせないように

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少し前までは仕事柄、デベロッパーの分譲マンション建設を是とする立場だった。それによって建設業界に仕事がもたらされるし、それによってそこに住む人が生まれる。街も活気づく。そういう「まちの成長」を支える仕事なんだ、と思っていた。いまでも、前職で施工した建物だけは(それが自分が担当したものでなくても)見ると誇らしげな気持ちになるのだから、相変わらず未練がましい。

 

いまは、昔の価値観に逆戻りしてしまったのか、でかいマンションをつくる以外の方法がないだろうか、と考えてしまう。考えて考えて、でもすぐ飽きて考えるのをやめてしまう。そこで終わり。だから進展がない。

 

 

先日、行きつけの美容院でマスターが、駅前にしばらく残っていた広い空き地に今度マンションができるみたいだよ、と教えてくれた。そして、そのマンションの購入を検討している、とも。私自身、分譲マンションを買って住みたいと思ったことがいままでに全くなかったので、その話を聞いたときは、つい「それでホントにいいのかぁ~?」なんて思ってしまった。

 

私がその話に乗り気でなかったことには、もう一つ理由がある。実は、マスターの住まいの希望は以前から聞いていて、ぜひ自分の仕事と結びつけて彼を顧客にしたいと企んでいた。近くの土地情報があったときは、彼をそこに呼びつつ、プロジェクトとして成立するにはどうすればよいのか、考えた。しかし自分の妄想は妄想のままで、進展していない。結果として、検討先を奪われたようなものだ。どんなに他者の案が自分にとって良いものに見えなくても、それが実現されるもので、現に提案がなされて、それに関心をもてば、そっちの勝ちだ。一方、こっちはどんなに魅力的な企画をしても、それが妄想で終わる以上、勝ち目はない。悔しいが、実はまだ諦めていなかったりする。

 

今日、その現場を見たら、超大手売主の建築看板が立っていた。計画建物は、けっこうでかい。ベッドタウンとしても価値のある街だし、周囲にも新しいマンションは多い。この売主のマンションなのだから、きっと高品質の、良いマンションなんだと思う。それにしても。お仕着せ、とまでは言わないけれど、画一的で、どこで建てても同じ間取りなのではないかと疑ってしまうような建物に、大好きなお兄さんを取られたくはない。ひとり勝手に、思う。妄想を、妄想のままにしていては、マズイ。